2011年8月31日水曜日

21世紀は巨大地震の世紀か(1)

 東日本大震災規模とされる平安時代の貞観地震(869)や関東直下型地震、東海・東南海・南海地震の3運動とみられる仁和地震など9世紀に起きた地震が、阪神大震災(平成7)以降の地震の状況と酷似していることが産業技術総合研究所の寒川旭・招聘研究員(地震考古学)の分析でわかりました。寒川氏は、近い将来に首都圏直下型や3連動型地震が起きる可能性が高いとの見解を示し、「千年に一度の巨大地震の世紀になるかもしれない」と警鐘を鳴らしました。9世紀前半に関東北部や東北などでマグニチュード(M )7前後の地震が相次いだ後、貞観地震が発生していることを確認しました。しかし、どうしても地震学者の予知予測は、眉唾に思われてなりません。

貞観地震は当時の歴史書「日本三代実録」に、「海は猛り吼え、津波が怒涛のように多賀城下に押し寄せ、千人が溺れ死んだ」と記述されています。

878年には関東南部でM7以上の直下型地震が発生し、887年の仁和地震では、日本三代実録に「都(京都)の建物は倒壊し、圧死するものが多数出た。海岸には、海潮(津波)が押し寄せ、無数の人が溺れ死んだ。大阪湾岸も津波被害が甚大だった」と記録されています。

寒川氏の分析によると最近数十年間に秋田などで死者100人以上を出した日本海中部地震(昭和58年、M77)や阪神大震災(M73)、新潟県中越冲地震(平成19年、M 68)など各地でM7 前後の地震があり、その後東日本大震災が発生した点が、平安時代の状況と共通していると指摘しました。首都圏直下型地震や東海・東南海・南海地震について寒川氏は、いずれもフィリピン海プレートの影響下にあり関連が深く、過去の首都圏直下型や仁和地震に匹敵する3連動型地震が発生する可能性が高いとしています。(明日に続く)

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