さて、応神天皇陵への立ち入り調査を認められましたが、これをどう評価するか。当然のことながら、意見が分かれます。「立ち入りを認めたといっても、宮内庁は墳丘本体への立ち入りを認めず、研究者は(周辺の)内堤部分を歩いて視察しただけだ。同庁は研究者の立ち入りを『墳丘最下段のテラス部分まで』と規定しており、今回もこの見解を変えたわけではない。世界文化遺産への登録に関してユネスコが調査を求めてきても多分、同じ結果になるだろう」と作家で慶応大学講師の竹田恒泰氏は述べています。
また、竹田氏は、天皇陵の発掘には、否定的です。
なぜ立ち入り調査に反対かといえば、「先祖の墓を大事にしてお参りを欠かさず、繁栄を願うのは日本人として当たり前のことだ。天皇陵は2千年以上にわたって現在も続く歴代天皇家のお墓であり、そこへ立ち入って調査するのは、『供物があり、線香の煙がたなびく仏壇を、骨董屋が解体調査する』ような行為に他ならない。
すでに滅んでしまった王朝の墓などとは違うのだ」とあくまで否定的です。
天皇陛下が祭祀を行われる意味は、という問いに対しても、竹田氏は、「天皇陛下には『私』がなく、毎日国民一人一人の幸せを祈り、その祈りを通じて2千年以上、国を統合されてきた。
人知を超える大災害を目の前にして、多くの国民が陛下の『祈り』の力を実感したと思う」と言います。
被葬者をはっきりさせるためにも学術的な調査は必要ではないかに対しても、「立ち入り調査というのは、御陵の『破壊行為』であり、その静安と尊敬を損ねる。一部の方(研究者)の関心のために、国民全体の大きな利益が失われてはならないと思う」と語っています。
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