2011年8月2日火曜日

がんは細胞の老化(2)

 遺伝子の代表ががん遺伝子であり、反対に細胞の分裂をとめる働きをするのが「がん抑制遺伝子」です。「がん抑制遺伝子」が突然異変の結果働かなくなると、分裂を抑えることができなくなり、細胞は無限に増殖を続けます。

「死なない細胞」=がん細胞の誕生です。がんは、「進化の代償」とも言えるのです。寿命が伸びれば、がん抑制遺伝子に突然異変が起きうる期間が長くなり、がん細胞の発生の可能性が増えていきます。

がん細胞は健康な人の体でも1日に5000個も発生しては消えていくことがわかっています。

 毎日5000個、死なないがん細胞ができるわけではありません。できたばかりのがん細胞は免疫細胞(リンパ球)にその場で退治されます。

リンパ球は、不審な細胞を見つけ出して、自分と同じDNAの細胞でないと判断すると、殺してしまいます。

がん細胞は、もともと私たちの正常な細胞から発生していますので、細菌などと比べると、免疫細胞が「異物」と認識できにくいのです。

免疫細胞は、できたばかりのがん細胞をなんとか識別して攻撃して死滅させています。私たちのカラダのなかでは、毎日毎日、「50000敗」の闘いが繰り返されています。

どんな守備の名前でも、何十年も試合に出ていれば、いつかはエラーをするのと同じです。加齢によって免疫力も低下しますので、年齢とともに、がん細胞を見逃がす確率は高まっていきます。

がんは、簡単に言えば、細胞の老化です。世界一の長寿国になった結果、世界一のがん大国になったというわけです」と書いています。出来るだけ悪性のがん細胞に犯されないように祈るばかりです。

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