中国共産主義青年団(共産党の青年組織)の機関誌「中国青年報」が
9月
20日から
3日連続で、呉建民・元駐仏大使の提言を中面トップで掲載しました。
ここで、呉氏は、日本やシンガポールなどの協力に、「恩義を感じるべきだ」と強調しています。今の中国にあっては、勇気ある発言です。
最終回は、「中国が直面する最大の挑戦は自分自身にある」との見出しで、「中華民族が最も恐れるべきは(指導者が業績を上げようと)頭がのぼせ上って起こす人災だ」と断定しています。今では、中国国内でとりあげられることはありませんが、毛沢東が1958年に始めた大躍進政策の悲惨な失敗を例にあげています。
毛は中国を共産社会にしようと農民を人民公社に強制移住させた結果、農工業が破綻して数千万人といわれる餓死者を出しました。
呉氏は「発展こそ硬い道理」との鄧小平の言葉を繰り返し強調し、諸外国との協力を維持して経済発展の勢いを中断させないよう呼びかけています。
また、「中国人は成熟しているか」と問いかけたジャーナリスト、邱震海氏の著書(7月発行)が国内メディアで広く紹介され、話題になっています。
邱氏は、中国人の未成熟さが端的に表れている点として、
①共に救国を唱えながら、100年も内戦を続けた国民党と共産党の事例
②貧しい時は自分を卑下して西洋を仰ぎ見、富を得ると急に傲慢になって軍事に関心を強める
③文革という民族の過ちを反省しない
④議論を始めると相手を罵倒し合って冷静、理性的な議論ができない
などを指摘しました。今の中国で凄いことです。
中国が19世紀後半からのドイツや、昭和初期からの日本の過ちを再現しかねないとの懸念がうかがえると閉じています。