2013年11月5日火曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (2)

  日米が対中軍事同盟、つまり対中包囲網を強化することで合意した以上、米国と同盟を結んでいる韓国の立ち位置は、明確なはずです。ところが、韓国は米国側に残るか、中国側に行くのか迷っているようです。もしくは、これをカードに出来ると考えたようです。
 
 すでに米国は自分が主導するMDに参加しろと韓国に踏み絵を突きつけています。一方で、日和見の韓国を見て、中国は「中国包囲網に参加したらただじゃおかないぞ」と脅し続けてきました。朴槿恵外交を根本から覆す、韓国にとってこそ「大事件」だったのです。
 
  もう1つ、韓国人にとってショックだったのは、「集団的自衛権の問題で、米国が韓国よりも日本を尊重した」ことだったようです。単に米国に裏切られたとの思いだけではないようです。中国に対して、「日米軍事同盟強化を阻止したいなら、仮想敵国のあなた(中国)よりも米国と同盟国の私(韓国)が米国を説得した方が効果的です」と中国を説いたと思われる韓国は、中国からも軽んじられることになりました。

  集団的自衛権に関わる韓国の議論にも、随所に独特の思い込みが見られるようです。ただ、誤解が元とはいえ韓国人がショックを受けたことは事実であり、それが米韓関係に尾を引いているようです。
 
  韓国メディアが、これまで報じてきた「世界像」は以下のようなものでした。

・オバマ大統領は極右の安倍晋三首相が大嫌いである。一方、朴槿恵大統領に対しては極めて親しい感情を抱いている。米国にとって、韓米同盟が米日同盟よりも重要になった。
・安倍晋三首相は右傾化を進めており、集団的自衛権の行使容認もその一環だ。
・韓国が中国をも背景に、日本の集団的自衛権の行使容認に反対している以上、米国が許すはずがない。朴槿恵外交の勝利だ。
 
  これに対する日本の識者の意見は次のとおりである。

・集団的自衛権の行使容認は、非公式な形とはいえ、そもそも米国が日本に要求したものである。ゆえに誰が反対しようが、米国がいずれ“認める”に決まっているではないか。
・米国がこれまで賛意を表しないのは、日本国内で合意ができあがるのを待っているからであって、韓国の反対が主因ではない。
・米国は中国と戦争するつもりはない。それだからこそ中国包囲網をしっかりと作る。それに必要な日米同盟の強化を、大統領の個人的関係ごときであきらめるはずがない。
・そもそも二股外交を展開する韓国を、米国が信頼するわけがない。

0 件のコメント: