2011年8月15日月曜日

中国空母の弱みと脅威(1)

 中国が航空母艦を建造していることは、周知の事実です。専守防衛のためには、航空母艦は不要です。どうみても、南シナ海などで領土問題が起こっており、これを威圧するためと思われても仕方ありません。

この中国の航空母艦建造に諸手を挙げて賛成している人が、アメリカ人の専門家の中にいます。中国海軍研究の権威バーナード・コール米国防大学教授で、「中国はぜひとも航空母艦を多数、建造してほしい」という論文を発表して、注視を浴びています。

中国がウクライナから買った空母ワリヤーグを大幅に改修して、いよいよ航行させるという動きが切迫したテーマとなってきたために論議を呼んでいます。。大連港で修復を終えた同空母が来月にも艦載機とともに中国海軍の主要艦艇として登場しそうです。

米国側でも中国初の空母配備は、米海軍の西太平洋での制海権への正面からの挑戦として懸念や警戒の声を生むようになっています。中国がワリヤーグを清朝時代に台湾を制覇した水軍の将の名を取って、「施琅」と命名したことも、米国の台湾支援政策への対決を思わせます。

米国議会調査局の「中国の海軍近代化」という報告書は中国がすでに国産の空母の建造にも着手して、これから10年間に最大6隻の配備を意図すると明記しています。

そのような中で、米海軍士官を30年も務め、太平洋で駆逐艦の艦長であったコール教授が中国には空母をどんどん建造し、配備してほしいと発言しました。

「中国の空母は有事には米軍の攻撃に弱いからです。カモといえる容易な標的となります。中国海軍はまず空母を支える輸送船や給油艦が不足している。空母自体、米軍の空母が持つような防御や攻撃の能力を有していない。中国側がそんな空母を多数、造れば、他の艦艇や兵器に回る資源が減るため、私はなかばユーモアを交え、『どうぞ、多数の空母の建設を』と提唱した」と述べています。

ワリヤーグには米軍のE2のようなレーダー機やEAのような敵レーダー妨害機がないことが指摘されるようになりました。

ワリヤーグを護衛する駆逐艦や潜水艇がきわめて弱体であることも指摘されました。

しかし、別の意見もあります。

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