自動車産業が不況となれば鉄鋼産業も難を逃れられません。
中国通信大手の中国聯通の今年上半期の純利益は前年同期比5.5%減、生命保険大手の中国人寿のそれは28%減。伸びているのは在庫だけという状況です。
中国国内の上場企業1246社の6月末の商品在庫額は1兆4200億元(約16兆9800億円)、前年同期に比べて38.2%、年初に比べて18.9%増加したといいます。
その背景にあるのはやはり、中国政府がインフレ退治のために実施している金融引き締め政策です。金融引き締めの結果として、中国経済の6割を支えている中小企業が経営難に陥って、「倒産ラッシュ」が全国に広がっています。
今後、引き締め政策が継続されていくと、産業全体の衰退はよりいっそう進み、成長率のさらなる鈍化も予測できます。
今年8月の北京市内の不動産販売件数が09年以来の最低値に落ちたことが判明した途端に、同じ北京市内の不動産物件の平均価格は12.4%も下落しました。
1週間の間に不動産価格が1割以上も落ちてしまうとはまさに「暴落」という異常実態といえます。
金属加工機や産業用ロボットなど工場で使われる機械の受注額は、重要な景気の先行指標ですが、同工業会が10月14日に発表した中国向け受注額は前年同月比10%減の197億元と、23カ月ぶりに前年を割り込みました。「現地資本の電気メーカーなどから一部でキャンセルも出ている」といいます。
工作機械以上に失速感が強いのが、油圧シャベルなどの建設用機械です。業界最大手、コマツの野路国夫社長は「前年比4割減のペースだ」。同社の今年4~6月期の中国売り上げ高は前年期比23%減の754億円に落ち込んだそうです。
中国向けの建機輸出は、これまで「倍々ゲーム」で増えてきました。公共工事の用地買収資金を供給する銀行の資金繰りが悪化して工事が停滞し、建機の需要減につながっています。
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