「現実問題としてこれまで一度も使ったことがなく、水位の制御がきわめて難しい。浜岡原発で水素ガスが爆発した事故もあり、撤去したということです」。
上原氏はこう訝しがります。
「“最悪の場合“に使うシステムです。それを使ったことがないからと撤去してしまうのは、安全神話ありきの発想だったとしか思えません」。
保安院を所管する経済産業省の文書になると、東電の主張を丸吞みした上で、〈安全機能への影響はない〉、〈削除は妥当なものと判断した〉との判定を下していました。
東電が福島第一原発から蒸気凝縮系機能を撤去しようとしていた平成15年は、まさに小泉政権時代でした。電力会社と二人三脚で原発を推進してきたのは自民党政権そのものでした。当時の経産大臣は原発推進派で知られる平沼赳夫氏でした。
平沼氏は、「まだ事故収束の見通しが立たないのに、5月31日には『地下式原子力発電所政策推進議員連盟』を発足させ、会長に就任しています(週刊文春6月9日号)。
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