少し古い話になりますが、4月17日の東京電力の会見です。
福島第一原発にもう危険は絶対にないという状態にするまでの「工程表」(つまり日程表)を国民に発表しました。7月までに原子炉を安定的に冷やし、来年1月までには完全に冷却するというものです。
第一原発の1号機から3号機までの原子炉で、実は、震災直後からすでに原子炉の燃料棒がすべて溶けていました。つまりメルトダウンが起きたことが明らかになりました。問題は、それが起きていたこと自体ではありません。東京電力が、2ヶ月間も、メルトダウンを把握できていなかったことです。
三月十二日には、1号機へ冷却用に注入していた海水を、東京電力本社は、一時、ストップするように指示を出していたことが明らかになりました。
この問題は、菅直人首相が、その指示を行ったのか、行わなかったのか、と国会で糾紛したところです。ところが、決着は不思議な形で着きました。免震重要棟の総指揮官である、吉田昌郎・第一原発所長が“独自判断”で海水注入を続けていたと、誰もが想像もしなかった事実を東京電力が突然、明らかにしたのです。5月26日のことです。
ここでも問題は、海水注入停止の是非ではなく、事実が、国民に知らされなかったことです。今、再び、黒い影が、東日本の住民たちの上に覆いかぶさろうとしていると「週刊文春6月9日号」は書いています。
せっかくの明るい光となった「工程表」を信用していいのでしょうか。
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