漫才は、ドラマに比べて制作費が安く上がり、まずまずの視聴率がとれて、不況に強いといわれて来ました。
それがいま、昨年末終了した「M-1グランプリ」のようなイベント的な番組以外は、「スポンサーがつかない」状況だそうです。漫才番組のかわりに、漫才師の楽屋話や旅やグルメのようなバラエテイ番組がふえました。
スポンサーは、買う商品の銘柄をほぼ決めている年輩者より、新商品などのCMに影響されやすい若い視聴者向けの番組を求め、漫才番組にはあまり興味を示さないのだといいます。しかし名人上手のDVDは結構売れており、じっくりたっぷり、ネタを聴く番組を望む人はかなりいるとみられます。
一時ブームを作った「エンタの神様」(日本テレビ制作)は関西の局には衝撃的だったようです。若手の漫才を編集で1分ほどに短くしたり、客席の笑い声を加えたり、テロップでセリフを表示したり“テレビ的加工”が目立ちました。
「人気者は出したけど、日本の笑いをどうしようかという考えは見えず、人気者を作り出せばいいというだけだったように思えた」と漫才作家の高見孔二さんは話しています。こうした東京流のやり方が蔓延すると、やがては“大阪の味”が失われるのではないかと大阪の漫才関係者は気にかけています。
このために大ネタの劇場用と短いテレビ用のネタの使い分けようという動きがあります。簡単ではありませんが、中堅たちの試みが始まっています。
テレビでは毎日放送が、昨年から不定期にネタ番組「漫才ヴィンテージ」をゴールデンタイムで放送しています。
キャラクターを前面に出した瞬間芸のような番組もすっかりなくなってしまいました。いつかネタ番組復活の日がくるのだろうかと大阪の漫才関係者はあきらめと期待をない交ぜにして見守っています。
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