2011年5月27日金曜日

モナリザの遺骨調査(7)

 こうしたことから、20世紀に入ってモデルに関する様々な異説が唱えられるようになり、以下のような人物がモデルとして推定された。

コスタンツァ・ダヴァロス当時ジュリアーノ・デ・メディチの愛人であったナポリ公妃。ただし1503年当時45歳で、年齢的に合わない(これはレオナルドが嘘をついたためとする意見がある)。

イサベラ・ダラゴーナミラノ公妃。年齢が絵と近く、同じ構図の油絵『アラゴンのイザベラの肖像』がある。『アラゴンのイザベラの肖像』は、スイスで個人が所有しており、詳細はよく分かっていない。

イザベラ・デステマントヴァ侯爵夫人。レオナルドのデッサンに『イザベラ・デステの肖像』があります。このデッサンは横顔ですが、衣装、顔、体型が『モナ・リザ』に描かれている女性と非常によく似ていますが、レオナルドの手によるデッサンであるかどうかについては議論があります。

その後もモデルに関する憶測もしくは捏造は止まることを知らず、「この肖像画はフランチェスコ・デル・ジョコンド、つまり男性の肖像画である」という極端な説まで現れました。

また、ベル研究所のリリアン・シュワルツ博士は、レオナルドの自画像といわれる絵と、『モナ・リザ』の顔の特徴をデジタル解析した結果に基づき、『モナ・リザ』はレオナルドの自画像であるという見解を出しました。両者をコンピュータを用いて合成すると、顔の特徴がほぼ完璧に一致するというのです。しかし同じ画家が描いた絵であれば癖や好みなどから特徴が似通った絵となることも多く、レオナルド自身の「すべての肖像画は、画家自身の自画像に通じる」という言葉を裏付けたとも見なすこともでき、必ずしもレオナルドが『モナ・リザ』のモデルであることを証明する物ではありません。

0 件のコメント: