フランチェスコは実在した裕福な人物であり、当時フィレンツェの中で政治的にも権威を持っていました。しかし、その妻であるリザ・デル・ジョコンド(リザ・ゲラルディーニ)については、1479年10月16日に生まれ、1495年にフランチェスコと結婚したことは分かっていますが、それ以外はほとんど分かっていません。また当時、肖像画の服装、背景、髪型にはモデルを暗示するモチーフが盛り込まれることが一般的でしたが、『モナ・リザ』においては服装や髪型から明確な特徴が得られず、背景にも茫漠とした風景が描かれているのみで、特定の個人を示す暗示がほとんど得られません。
このため20世紀に入って、ヴァザーリの記述に対する疑問から、絵のモデルはジョコンダではないとする異説が複数唱えられてきました。
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