地震のあった玉樹のある青海省の省都の西寧市には、チベット仏教発祥の地である塔爾寺があります。大金瓦堂は、屋根全体が金箔で葺かれています。入り口近くには、八つの塔があり、八宝如意塔があります。八というのは、仏の八大功徳を現わしています。一番奥には、上酥油花院というのがあり、昔、チベットを懐柔するために皇帝の娘をチベットに送りました。そのときの娘のために造られたお堂ということです。酥油花というのは、バターで造られた花で、きれいな色に着色されています。熱に弱いので、常にエアコンで冷やされています。それでも、1年しかもたず、毎年造り直されます。
チベット仏教の発祥の地は、チベットとばかり思っていましたら、そうではないようです。チベット仏教には、ダライ・ラマ系とバンチャイ系があります。ダライ・ラマ系は、奴隷を所有する階級であり、奴隷制を認めない共産党がチベットを制圧した時にインドに逃げました。バンチャイ系は、庶民派ですので、以後も中国国内に生き残りました。したがって、中国のチベット仏教は、バンチャイ派ということになります。
チベット人は自分の収入を三分し、ひとつを自分の生活に、ひとつを奥さんの装飾に、ひとつをお寺に寄付します。日本の宗教団体も給料の10%を寄付させるところが多くありますが、チベット仏教の場合は、その3倍ほど寄付します。したがって、チベット仏教の指導者は、金持ちです。運転手付きの高級車に乗っています。妻帯は、していません。
チベット仏教は、転経桶というぐるぐる回すものがあります。時計回りに回します。回す時に「オー・マー・ビー・バー・ビー・フォン」と言いながら回すと、念願が叶うそうです。堂宇を回るときは、時計回りです。入り口の敷居を踏んではいけません。
また、五体投地は10万回しなければいけないそうです。五体投地をしながらチベットまでゆく人もいます。ラサのホダラ宮まで行く人がいますが、この人たちは、手押し車に荷物を乗せ、先に車を押して行って、車をおき、自らは、元の地点まで戻って再び五体投地で進みます。気が遠くなるくらいの時間がかかり、疲れるでしょうが、これを続けます。ダライ・ラマ14世からは、想像の出来ない馬鹿なほど気の遠くなる行動です。
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