2010年4月10日土曜日

小沢幹事長不起訴の背景(1)

 2月4日、東京地検特捜部は、小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、同会の事務担当者だった石川知裕衆議院議員、小沢幹事長の公設第一秘書の大久保隆規、同会事務担当者池田光智の3人を「政治資金規正法違反(虚偽記載)」で起訴したものの、小沢幹事長については不起訴としました。
 これで野党の自民党・みんなの党などは、自分の資金管理団体の秘書が3人も逮捕・起訴されたのだから、小沢は責任重大であり、その道義的責任を問う構えです。マスコミも同じトーンで小沢幹事長追求の構えです。マスコミは、検察から流される情報を自らの調査結果と言いつつ、まったく同じ情報を流しています。おかしな話です。
 この事件には基本的な疑問があります。なぜなら、この事件が当時、陸山会の直接担当者だった石川知裕衆院議員を国会前に逮捕し、起訴するほどの重罪だったのかということです。新聞各紙にはいろいろ書かれていますが、ていねいに読むと新聞によって少しずつ違っている部分があります。要するに何がなんだかよくわからないままに書いているような感じすらします。
 石川議員の逮捕容疑は、「政治資金規正法違反(虚偽記載)」になっていますが、元検事で弁護士の郷原信郎氏によると、石川議員の逮捕・拘置事実は次の通りなのです。
 陸山会の2004年分の政治資金収支報告書の「収入金額」を4億円過少に、「支出総額」を3億5200万円過少に記入した虚偽記入の事実です。要するに収支が合っていないというだけのことです。郷原氏によると、政治資金規正法で政治家を逮捕するには、記載されるべきであったのに記載されていなかった収入・支出を特定するべきであるのに、単に収支が合わないという理由だけで逮捕するのはあまりにも乱暴であるというのです。
 事実はどうだったのかを整理してみることにします。実は4億円は2つあるのです。
  1.陸山会が小沢から現金で借りた4億円 → 不記載
  2.銀行から小沢名義で融資された4億円 → 記 載
 石川は世田谷の土地を購入するよう小沢から指示を受けたのですが、陸山会のあちこちの金を集めないと4億円はできないので何とかして欲しいと小沢に頼んだのです。そうすると、小沢は現金で4億円用意して石川に渡したのです。小沢はこの資金は自分が貯めた自己資金であるといっています。
 石川は、そのお金を陸山会の口座に入れ、そのお金で世田谷の土地を購入しています。2004年10月29日のことです。石川は、その日に小沢名義で4億円の定期預金を担保して銀行から4億円の融資を受けているのです。このときの4億円は、2004年陸山会の収支報告書に記載されています。
 しかし、石川は小沢から現金で借りた4億円は、収支報告書に記載していないのです。逮捕後になぜ記載しなかったのかと理由を聞かれた石川は、「小沢氏が多額のお金を持っていることを伏せたかった」と供述しているのです。したがって、石川は、このことについては認めているのです。
 ごく常識的に考えれば、陸山会が世田谷の土地を購入する際、手持ち資金が足りないので、小沢から現金で4億円を借り、購入後に小沢名義の定期預金を担保にして銀行から4億円を借りて、小沢に返したということではないのでしょうか。これなら、理屈に合う話です。 (あと、明日へ。これは、Electoronic Journalを参照しました) 

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