2010年4月11日日曜日

小沢幹事長不起訴の背景(2)

 昨日からの続きです。ところが、検察は銀行から借り入れの4億円は、小沢の現金の4億円の原資を隠すための偽装ではないかと疑いました。そう考える根拠は、現金の4億円の中には、水谷建設からの5000万円の裏献金が入っており、それを資金洗浄したと考えたのです。
 しかし、小沢は水谷建設からの裏金などないと断言し、これについては、逮捕された石川、大久保、池田の3人もないと証言しているのです。そこで、小沢は検察の誤解を解くため、取り調べに応じ、4億円の原資は、これこれこういう経緯でストックした自分の資金であることを証言しています。銀行口座も明らかにし、4億円の原資を検察に説明しているのです。
 今回、小沢が不起訴になったのは、小沢の示した4億円の原資について、それがウソだといえるだけの証拠が検察側になかったからといえます。大メディアは意図的に報道しませんが、水谷建設元会長は、佐藤栄佐久前福島県知事の汚職事件で、裏献金に関してウソの供述をし、控訴審判決では「賄賂はゼロ」という裁判所の判断が示されているのです。つまり、特捜部は政権与党の幹事長のいう証言よりも、執行猶予欲しさに裏献金についてウソをついたことが明白になっている水谷建設元会長の証言を信用しているということになるのです。正しい検察がやることでは、ありません。異常さすら感じます。どうしても小沢を上げてやるという異常なまでの執念を感じます。ちなみに、前福島県知事の汚職事件のときも今回の小沢捜査も指揮をとる特捜部長は同じ佐久間特捜部長なのです。
 もうひとつ、検察が虚偽記載といっているのは、不動産の取得が2004年10月なのに、収支報告書は2005年1月になっているということがあります。小沢側はこれについて不動産屋の希望と説明していますが、不動産取引にはよくあることです。
 それだけのことで、あの中川昭一元財務・金融相を破って小選挙区で当選した石川議員の多数の有権者の支持を無視し、政治資金規正法の虚偽記載という形式犯で前途有望な代議士を逮捕・起訴して、公民権停止で失職させてよいものなのでしょうか。
 まして小沢は不起訴なのです。大メディアは世論調査をして小沢辞職キャンペーンをしたり、小沢を「容疑者」と書いた大新聞系列の夕刊紙(夕刊フジ)などは「小沢人民裁判へ」というタイトルの記事を書くなど常軌を逸しています。
 もっと冷静になって、これから民主党がどういう仕事をするか見守ることの方が、根拠のない小沢叩きよりもはるかに意義のあることと思います。 (文藝評論家/山崎行太郎の政治ブログ)
 小沢一郎幹事長が、2月1日、起訴の場合は「責任を取る」つまり「幹事長辞任もある」と記者会見で発言したことから、渡部氏、前原氏、枝野氏、野田氏らを中心にした「反小沢一派」の面々が、「小沢打倒」を目指して、浮き足立った動きをした民主党内だったが、結果は、今夜(2月2日)になって検察側からのリーク情報だと思われる、突然、「小沢不起訴」の情報が駆け巡り、一連の小沢事件の攻防は、「検察完敗」に終わりそうな雲行きになってきました。またまた、「反小沢一派」のクーデターは空振りに終わりそうな気配です。しかし、いつもながら空気の読めない、政治的センスの欠如した連中です。そもそも引退寸前のボケ老人─渡部某に「七奉行」などとそそのかされて、その気になること自体が政治家失格です。まさにお気の毒としか言いようがありません。(このブログは、Electoronic Journalを参上しました)

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