2010年3月27日土曜日

伊丹空港は存続か、廃止か

 3月23日、兵庫県議会は、定例県議会の最終日の本会議で、伊丹空港の存続と、関西、神戸を含めた関西3空港の有効活用を求める決議案を賛成多数で可決しました。
 そして、一方、大阪府議会は、伊丹空港廃止考える決議案を可決しました。真っ向から、分かれました。大阪府の橋下徹知事が主張する「伊丹空港の廃止」をめぐり、府議会は24日の本会議で同空港の「中長期的な廃港を考える」とする決議案を自民、公明両党などの賛成多数で可決しました。
 これらは、国土交通省の成長戦略会議が6月に示す予定の3空港抜本改善策にも影響を与えるでしょう。国交省の成長戦略会議による伊丹、関西両空港の在り方の取りまとめに向け、府議会の決議は、橋下氏の主張を後押しする格好ですが、大阪府の民主党は反対しました。橋下氏は閉会後、記者団に「(決議は)大きなことで、政府が無視すれば、地域主権は虚像だとはっきりする」と述べました。
 府議会の決議は関空のハブ化を求めるもので、実現には伊丹空港の中長期的な廃港の検討が必要と指摘しています。府北部から関空への鉄道アクセス改善を条件に挙げ、廃港に当たって国に跡地の移管や街づくりのビジョン構築を要望しています。
 この伊丹空港は、兵庫県伊丹市と大阪府の豊中市、池田市にあります。また、地理的には、大阪市、神戸市、京都市のほぼ中心にあり、利便性には、他の関空、神戸空港に比べて勝っています。関空は、あまりにも南にあり過ぎます。自民党政権だから、できたものの正当な精神状態の人であれば、こういうところに飛行場を作ろうなどと考えなかったでしょう。島でもないところに空港を作るわけです。案の定、空港は沈み始めました。もう1メートル以上、沈んだところもあります。地理的にもハブ空港にはなれません。
 橋下知事は、伊丹空港を廃止して、今の乗降客を関西空港に行かせようという腹積もりですが、よく分かっていません。どれだけ、遠いか。府の黒塗りの車で行くので、不便さが分かっていません。利用客に不便を味あわせて押しつけてはいけません。一方、伊丹空港を廃港にして、その跡地にカジノなどの建設を考えているようですが、かれに問いたいものです。「動機善なりや、私心なかりしか」。これは、稲盛和夫氏の言葉です。どうも私心ありありに思えます。
 わたしは、伊丹空港の廃港には、反対です。それよりも、伊丹空港は、1日370便に制約されています。それもジェット機は200便で、プロペラ機(ターボ)が170機です。もっと離着陸を増やしてほしいものです。海外にも羽田のように伊丹から飛ばしてほしいものです。日本は自由主義の国です。国(官僚)が決めるのではなく、利用者に決めさせてほしいものです。国交省のやり方は、常に利用者の観点が不在です。

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