12日に企業再生支援機構は、PHS大手のウイルコムへの支援を決定しました。PHS事業を引き続き行うウイルコム本体へ、出資はせずに融資枠を120億円と決めました。PHSユーザーの約420万人を守らねばという建前です。これに併せて、金融機関などが1145億円の債権放棄を行います。アドバンテッジパートナーズ(AP)が3億円を出資し、これまでの株主であるカーライル、京セラ、KDDIは、100%減資となります。まったくの紙切れになります。また、社員も2010年度末までに、社員の約3割にあたる300人程度の希望退職者を募るようです。
次世代サービスの「XGP」を行う新しい会社には、APが50億円、ソフトバンクが30億円、その他が30億円出資します。XGPの新会社では、70人を採用するということです。
2月度のユーザー数もNTTドコモが、14万8300人、ソフトバンクが14万5800人増なのに対して、ウイルコムは6万9600人減らしています。この傾向は、今後はもっと顕著に出て来るでしょう。次世代PHSと呼ばれるXGPもNTTドコモが今年12月には、XGPの5倍という受信速度の高速データサービスを始めます。XGPの新会社も100億や200億の資金では、到底全国サービスなど出来ません。ソフトバンクの戦略も見え見えです。
結局、PHSを続けるウイルコムは、企業再生支援機構の120億円を融資してもらい、単に命を長らえたに過ぎなくなるでしょう。治る見込みのない患者に延命治療を行うということで終わるでしょう。
XGPの新会社の新しいサービスが、いつ始まるのか、アナウンスされていませんが、NTTドコモが多額の資金を投入して来ます。そして、10月には始めます。おそらく、2000億円、3000億円の資金は、簡単に出して来るでしょう。ソフトバンクが、XGPに多額の資金を投入すると、母屋の経営までおかしくしますから、せいぜい100億円まででしょう。APが2000億円といった資金が出せれば、いいのでしょうが、この時期に出せるはずもありません。答えは、見えているように思います。あとは、天才的な経営者か、天才的な詐欺師の出現を待たねばならないでしょう。
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