2010年3月20日土曜日

廃港の危機

 9日に前原国交相が全国の空港の国内需要予測と平成20年度の実績を公表しましたが、最近開港した茨城空港をのぞく97空港のうち、64空港で需要予測を下回っています。予測を上回ったのは、羽田、名古屋、庄内(山形)、旭川(北海道)、岡山、熊本、長崎、那覇(沖縄)の8空港のみです。山形空港など24空港は、開港時期が古いなどで、需要予測が存在しません。予測と実績が比較できる72空港のうち、約9割が需要を下回りました。需要予測に対して、実績が低い空港のワースト5は次のとおりです。
             需要予測  平成20年度実績  比率
1.紋別(北海道)  37万1000人   4万8000人  12.9%
2.石見(島根県)  51万3000人   6万9000人   13.5%
3.奥尻(北海道)  7万1000人    1万1000人   15.5%
4.広島西(広島)  33万1000人   5万6000人   16.9%
5.松本(長野)   35万5000人   6万1000人   17.2%
 この中で情けないのは、石見と広島でしょう。石見は、石見銀山の世界遺産の登録を当て込んだのでしょうが、これはフロッグ的な要素が強く、毎年確実に観光客を呼べる史跡とはいえません。少し、サバの読み過ぎでしょう。広島も中国地方最大の都市の割に5万人台と石見空港よりも少ないのは、努力が足りない気がします。同じ山陽地方にある岡山空港はがんばっています。広島西からは、ANAは飛んでいませんが、JALも撤退の意向です。
 そのほか、JALの再建、ANAの赤字に伴い、撤退を決めた空港が多々あります。これらの空港は、赤字が出ると、その多くを地方自治体が赤字の補てんをしなければなりませんが、これらを作った当時の国交大臣、都道府県知事の責任は、どうなるのでしょう。おそらくは、田園風景豊かな農地を埋め立てて、コンクリートを流し込んだのでしょう。必要でない空港は、閉鎖すべきです。もう日本には、道楽にカネを遣う体力はありません。全国の都市すべてが、夕張市化しそうです。ダムもしかり、道路もしかり、自然を破壊し過ぎて、いずれ自然から手痛い仕打ちを受けるでしょう。

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