豊田章夫社長がアメリカの下院の公聴会に呼ばれ、質問を受けました。郷に入れば郷に入れで、証言の際にお辞儀をしなかったのがよかったと言われています。また、証言も好意的にとられたようです。
慶大教授の金子勝氏の2月17日の日刊ゲンダイの寄稿によりますと、今回のトヨタのリコールは小泉構造改革に起因すると言っています。2000年に世界第3位だった国民一人当たりのGDPは、小泉構造改革が終わった2007年には、19位にまで落ちてしまいました。スーパーコンピュータも世界一だったのに、今や世界31位になっています。半導体も世界1位だったのに、台湾、韓国に負け、太陽光発電も世界6位にまで、転落したと書いています。
トヨタの「リコール問題」も,顧客がブレーキの利きに不安を感じているのに、トヨタ幹部の「フィーリングの問題」という一言で済ませようとしました。熟練技術を担うモノ作りの現場を派遣社員に頼るようになりました。小泉政権時代に労働者派遣法が改悪され、株式持ち合いは否定されて企業間の結びつきが弱められ、製品作りにおける企業間のコーデイネーション力は完全に失われてしまいました。ソニーにも同じようなことが起こりました。製造を下に見てしまうことが起こっています。これは、トヨタにも起こっている気がします。理系よりも文系を上に見る、文系の方が出世が早いなどの現象が起こっています。資源のない日本は、やはりもう一度、製造業を活発にさせないと未来はありません。そして、優秀な人が理系に進むような施策も必要です。金子氏は、日本の産業は衰退に向かっており、バブル崩壊処理の失敗がその第一波とすれば、それを決定的にしたのは小泉「構造改革」と断定しています。
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