2009年12月29日火曜日

日本の戦争放棄

 これも津本陽氏の言を借ります。
 「第2次世界大戦後に総理大臣の吉田茂や国務大臣の緒方竹虎が「戦争放棄」を宣言しました。これは、あの時点において、非常に巧妙な選択だったと思います。うっかりしたらアメリカの傭兵として世界の紛争地域に送り込まれ、先頭に立って戦わねばならないという状況に追い込まれたかもしれなかった。そうした事態は、戦争放棄を唱えることによって回避することができました。
 しかし、それと同時に、アメリカに追随し、アメリカの傘の下、経済力だけで生きていくことをも意味していました。
 そこにあるのは、単純な経済原則です。政治家も一般人も、自分の儲けだけを考える。蟻が蜜に引き寄せられるように、富に群がっていく。その結果、日本という国はアメリカ中心のグローバリズムという構図の中で動いていく一つの駒になってしまいました。日本独自の動き方は見られません。今の政治家たちは、アメリカの代弁者として、働いている」
 まさに津本氏の考えは、真を捉えています。民主党になって、これまでの日米関係を見直そうと言うと、大新聞社、テレビのコメンテーター、学者先生までが、アメリカのロビイストのような発言をします。従来の日米関係は、見直す時期に来ていることは、考えれば、すぐに分かることです。また、これは、政権が替わった今しかありません。これが、なぜ知識階級という人が、誤った方向に日本を導こうとしているのでしょうか。わたしには、評論家の立花隆氏もアメリカのロビイストのような気がしてなりません。今こそ、政治家が、正しい思考と理念を持って日本を導かねばならないでしょう。日米関係についても、しかりです。アメリカとわざと喧嘩しろと言っているわけではありません。民主党の大臣、議員の中には、これらアメリカのロビイストと思われるような人たちに媚を売っている感があるのは、残念なことです。外務省の役人もそうです。小村寿太郎までを望むのは、無理としても、小小村と言えるような人材の輩出を待ちたいものです。

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