東京大・大学院の伊藤元重教授が、11月7日の産経新聞で、成田空港の3つの致命的な欠陥について述べていました。誰でもが納得する理由です。しかし、これを解消しようとする動きがまったくないことも不思議です。
その欠陥と言われていることについて述べましょう。
1. 国内線のハブになっていないために、地方空港を利用する人は、羽田から成田への長時間移動を強いられています。地方空港から韓国の仁川空港経由で欧米に行く人が増えているのは、まさに成田空港の弱点を突かれたと言えます。
2. 夜間早朝の離発着ができない。
最終便が夜10時に出ると、始発便が出るのは、朝の8時50分頃。10時間以上も空港を利用していません。シンガポールやドバイ国際空港は、この時間帯に100便以上が飛び立っています。
3. 都心からの距離が遠い。
ソールや北京に2、3時間かけて飛ぶのに都心から2時間近くかけていったのでは、明らかに不利です。
これらの成田空港の欠陥を考えますと、前原国交相が羽田空港をハブ空港にしようという考えは分かりますし、成田空港近辺以外の人にとっては、当然の思いです。羽田空港を深夜に出る欧州便があれば、朝6時頃に欧州に着きます。そうなると、地方からの人は、最終便で羽田に入って、欧州便に乗り替えられます。
また、アジア大洋州から来る便は、朝の成田に集中していますが、これは朝の6時以前には成田上空に飛べないので、現地で夜12時近くまで待たされます。さらに成田の朝は混雑するので、空港を出ると東京のラッシュアワーに巻き込まれます。
成田は、これらの欠陥は、どうしたら解消できるのでしょうか。地方空港からの便を増やす必要があるでしょう。すぐにハブ空港化はやらねばなりません。しかし、夜間の離発着が難しいとすれば、空港の国際競争力は、厳しいといえます。森田知事も夜間離発着のために住民の理解を得る必要があるでしょう。そうしないと、成田の将来に対する希望はありません。国際線も羽田をどんどん利用させて、成田から移る便は、どんどん移らせて、成田の今、おかれている立場を理解させるべきでしょう。日本は、どうもお上の言いなりになりすぎです。もっと、利用者に選択させるべきでしょう。そうでないと、日本以外の空港をハブ空港として利用します。
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