2009年12月4日金曜日

関西の空港問題

 橋下大阪府知事は、常々、大阪国際空港(伊丹空港)を廃止し、関西国際空港(関空)に一本にすると言っています。この関西空港は、建設段階からおかしいのです。マスコミも和歌山の毒カレー事件ほどには騒ぎませんでした。すんなりいった感じです。どうもマスコミは、三面記事には、地方の事件も取り上げますが、こういう政治的な話になると霞が関のみで終わらせようとする感があります。八ケ場ダムもそうです。もっと早くマスコミは騒ぐべきでしょう。一般国民は、知ることは出来ないのです。酒井のり子や押尾学の麻薬事件にこれだけの時間を割くのであれば、税金の使い方についてもっと糾弾すべきです。
関空の建設にあたっては、大阪湾の沖合ですので、土を運んで、埋め立て、島にするよりも浮かぶ島にする方が理にかなっているという意見も多かったのです。しかし、浮かぶ島にしますと、建築土木会社よりも鉄骨橋梁会社の仕事になります。このために、建設土木会社は、国会議員ほかを動かしたようです。なにしろ、数兆円の工事費です。浮島構想は、経験がないので危ないとか、いろいろのマイナス要因を挙げました。学者先生も同様です。航空母艦をみれば、うまくいきことは分かり切っています。しかし、こんなバカな工事は、それこそ100年に1回です。結局、埋め立てることになりました。ダンプカーが走り回りました。巨額の漁業補償費も払いました。当時、漁業をあきらめて、他府県に行っていた人までが帰って来て、漁師になりすましました。
 さて、空港が出来上がると地盤沈下です。「埋め立て工事自身は問題なかったが、下の土地が圧縮されて、すなわち縮んだ」ということで、また工事です。ひどいところは、1m近く沈んでいます。浮島、すなわち大きな航空母艦にしておけば、こういう縮む問題もありませんでしたし、漁業補償費の額も非常に少なくなっていたはずです。まだ、生きている人がいる間に検証すべきです。NHKで特番ででもやってくれないでしょうか。
 もうひとつバカなことが、第2期工事です。滑走路を2本にするというのです。2004年当時の発着回数は11万回。発着回数の能力は、16万回あったわけです。これでも足りないということで、第2期工事を決めました。当時、自民党の太田誠一氏も「三大バカ事業」と称しましたが、時の北側一夫国交大臣(公明党、先の衆院選挙で落選)と谷垣禎一財務大臣(現在の自民党総裁)が、念入りに合意文書まで作成して始めたのです。これも建設土木会社の暗躍でしょう。そして、現在、どうなっているでしょうか。12月1日の読売新聞によりますと、
              関空    伊丹    神戸
管理者       関空会社  国土交通省 神戸市
開港時期       1994年   1958年   2006年
滑走路        2本      2本      1本
            3500m   1828m    2500m
         4000m   3000m
発着回数(2008年) 12.9万回 12.9万回  2万回
旅客数(2008年)  1533万人  1538万人  258万人
経営       赤字  49億円黒字  赤字
 発着回数が関空、伊丹ともに12.9万回というのもおかしな話です。この数字は、国交省が上限を決めたようです。伊丹は、もっと能力がありますし、関空の数字は、粉飾のにおいがします。神戸空港などは、八尾市にある八尾空港にすら負けています。この空港は、定期便はありませんし、空港も広くはありませんが、3万8096回とほぼ神戸空港の倍です。
 関空の問題は、子や孫の代から、あういうものをなぜ作ったのと言われそうです。(明日に続きます)

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