オバマ大統領が、サウジアラビアのアブドラ国王や日本の天皇陛下に深々とお辞儀をしたことで、アメリカのメディアから批判されています。オバマ大統領は、天皇の住まいの御所に招かれ、14日正午ごろ、両陛下が出迎えられるなか、御所の玄関に到着しますと、握手を交わしながら深々とお辞儀をして、「お会いできて大変光栄です」と話し掛けました。さすがに両陛下は、握手の場合には、お辞儀をなされていませんでした。そして、3人そろって御所に入られました。
天皇が現職の米大統領を御所に招かれたのは、1998年11月に来日したクリントン元大統領氏以来です。宮内庁によりますと、昼食会には通訳以外の同席者はなく、3人だけで食事を楽しまれたということです。来日した外国首脳とは宮殿で会見するのが通例ですが、今回は双方の多忙な日程を調整した結果、御所での昼食になりました。
このオバマ米大統領が、天皇、皇后両陛下に腰を深く折ってお辞儀した場面が米メディアでも報道され、「国家元首が頭を下げすぎ」などと議論が起きています。米メディアは、「米国人は、直立での握手が自然だ」と批判しました。15日付ニューヨーク・ポスト紙も、お辞儀した大統領の視線が天皇陛下の足元に向いていたため、写真に「いい靴ですね」と茶化した説明を付けた上、「アキヒト天皇の父は真珠湾攻撃を許可した」として「大げさなお辞儀は、米国内で物議を醸す」と指摘したりしています。こうした批判に、米高官は米メディアに対して、「外交儀礼の範囲だ。日本で米国の印象がアップしたのは間違いない」と反論しています。
米メディアによると、オバマ米大統領が金融サミット出席のために訪問したロンドンでも、オバマ氏は、1日、英バッキンガム宮殿で行われたエリザベス英女王と各国首脳との写真撮影の前に、お辞儀をしたような姿勢でアブドラ国王と握手していました。米ワシントン・タイムズ紙は「イスラムに多大な敬意を示すために体を折り、大統領は米国の力と独立を矮小化した」と論説しました。しかし、ギブズ米大統領報道官は、9日、「握手しようと屈んだのだと思う」と述べ、お辞儀したとの指摘を否定しました。4月にも、サウジアラビアのアブドラ国王に「深々とお辞儀した」ことが野党共和党の批判を浴びましたが、ホワイトハウス側は、「握手のためにかがんだだけ」と反論したことがありました。また、ミシェル大統領夫人が英国のエリザベス女王の肩に「気軽に手を回した」ことは礼を失しているとして、問題視する報道もありました。
お辞儀をすることを英語では、「bow」と言います。この中には、「屈服する」、「降参する」という意味もあります。米メデイアは、どうもオバマ氏は卑屈な態度をとったという風に解したのでしょう。しかし、お辞儀文化を批判することは、東洋文化に対する批判に発展しかねないということで、東洋人のお辞儀には批判はしませんが、少なくとも世界No.1と自負するアメリカの大統領が、相手に対してお辞儀するのは、堪えられないのでしょう。
オバマ氏は、ケニア生まれのイスラムの父をもち、氏自身はホノルルで生まれました。その後、インドネシアで住むなど、他のアメリカ人よりは、他文化と親しんだように推察します。わたしは、アブドラ大統領とのお辞儀の姿は見ていませんが、両陛下とのお辞儀は見ました。多少は、卑屈な態度かな思いましたが、オバマ氏に好感を持ちました。
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