11月11日から行政刷新会議による「事業仕分け」が開始されました。このやり方自身は、「構想日本」が行って来た予算の無駄を洗い出す手法です。最初は、2002年2月に岐阜県で行われ。その後、10県、10市町村で行われましたが、東京都、大阪府では、行われていませんし、市町村レベルでも大都市では、横浜市ぐらいで、まだ本気に取り組むべきところが、取り組んでいないように思います。
現在、「事業仕分け」が行われているのは、市ヶ谷の国立印刷局の体育館です。馬渕澄夫・国交副大臣は、なぜ印刷局に体育館があるのか、首を傾げています。しかし、この事業仕分けは、非常によかったと思います。各テーマを1時間程度の討議時間で決めるのはどうかという意見もありますが、いたずらに時間をかけても結論は、いい方向に行くとは、限りません。それよりも自民党・公明党の政権時代よりも各大臣や議員が、必死で仕事をやっているのが、なかなかいいと思います。来年度は、やらないかもわからないといったことを鳩山首相が、発言をしたりしていますが、これはしばらくは続けるべきです。民主党の目玉の催事でしょう。
ところで、「構想日本」とは、何者でしょう。独立、非営利のシンクタンクです。1997年、元大蔵官僚の加藤秀樹が、これまでは官のみが独占してきた政策市場に風穴をあけようと、政策ベンチャーとして、政党や政治家などからの中立を保ったNPOとして設立されました。設立以来、主に行政、財政、社会福祉、教育、地方分権など様々な分野で具体的な政策提言を行って来ました。特定の政治家や政党の影響を受けない独立性を維持しています。
「構想日本」が、2002年から行っている行政の事業仕分けを予算編成に反映させた結果、約1割の予算を削減できた具体例もあります。この実績を背景に、この1年間で加速度的に広まり、今年度は12の自治体で実施を予定しています。
「事業仕分け」では、実施する自治体職員と「構想日本事業仕分けチーム」(他自治体の職員、民間、地方議員などで構成)が侃々諤々の議論をします。国や自治体の行政サービスについて、予算事業一つひとつについて、そもそもその事業が必要かどうかを議論します。必要であるとすると、その事業をどこがやるか(官か民か、国か地方か)を議論します。最終的には多数決で、「不要」、「民間」、「国」、「都道府県」、「市町村」に仕分けします。「外部の目」(特に他自治体職員。いわゆる「同業他者」)を入れる、「公開の場」で議論する(広く案内し誰でも傍聴できる)、「仕分け人」はボランティア(企業がコンサル業務を行うのではない)が特徴です。
最も「事業仕分け」が必要なところは「国」です。国の「事業仕分け」の最大の意義は、国の仕事の「そもそもの必要性」を問うことです。
「事業仕分け」によるマイナスはないようです。唯一、気になるのは、多数決で決めるのが原則ですので、メンバーに少しおかしな人と思われる人物が入っていることです。2回目からは、メンバーの選出にも時間をかけて選ぶべきでしょう。
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