自民党は、昨年10月20日に三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の各銀行から25億円ずつ計75億円を借り入れ、衆院選挙の決戦に備えていました。10月21日公示、11月2日投開票の日程を麻生前首相は想定していましたが、経済危機で解散を先送りしました。このため、借金残高は19年末の63億円から119億円に一気に増えました。これまでも自民党は、選挙の折に金融機関から調達していましたが、今回とは、かなり状況が違います。野党に落ちて、政権復帰の目処が立ちません。20年の収入308億1千万円のうち政党交付金は158億4千万円と収入の51.4%に上っています。その頼みの政党交付金が議席激減で21年10月支給分から、大幅に減額されます。共同通信の試算では、自民党が受け取る22年の政党助成金は21年当初比で51億7千万円減の104億7千万円に落ち込むということです。政権を持たない、利益を生まない団体としては、致命的ともいえます。
自民党は、党の政治資金団体「国民政治協会」が、20年に集めた企業・団体献金32億9千万円のうち29億円を受け取っています。以後、これがなくなれば借金苦は、さらに強まります。20年の借金返済額は19億円で、利息が1億6千万円でしたが、民主党が云う「企業・団体献金廃止」が実現されれば、致命的な打撃となります。来年の参院選挙には、かなりの借り入れが必要でしょうが、その余裕は自民党には残っていません。自民党の資産は、党本部建物など16億6600万円相当です。土地は、国からの借りものですので担保にはなりません。これまでの融資は、幹事長と経理局長が連帯保証して来ました。総裁でないところが、面白いですね。麻生氏は、衆院選挙を延ばしに延ばして、大惨敗。しかし、総裁は連帯保証人にはなっていません。確かに党の金は、幹事長が管理するので、幹事長が連帯保証人というのは分からないでもありませんが、次の参院選挙の時の幹事長は誰がなるのでしょう。総裁になる人がいても、幹事長には、なる人がいないように思います。
参考までに、民主党は借金の残高はありません。22年の交付金は21年当初比で54億7千万円増加し、173億円で、交付金だけで20年の総収入を上回ります。
自民党の支援団体のうち、日本医師会、日本歯科医師会、JAなども自民党一辺倒を見直すようですので、献金は大きく減るでしょうから、借金返済はますます難しくなるでしょう。身から出た錆といえ、これから自民党が、どう持ち直すのか、もし持ち直すことができれば、いい勉強になります。
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