2011年6月27日月曜日

中国一の金持ちの村―江蘇省華西村(1)

 揚子江の下流、江蘇省南部に「中国一お金持ちの村」と呼ばれる集落があります。改革・開放政策の波に乗り、稲作中心の農村から一大企業集団に変身して成功を収めたのが華西村です。

都市と農村の経済格差が広がる中国の中で、異質の存在となっている豊かな農村です。そこで生まれている旧住民と新住民の格差は、中国社会が抱える構造的な矛盾を映し出していました。

緑の中を真新しい舗装道路が走り、欧州風の別荘と見間違うような3階建ての住宅が整然と並んでいます。村の中心部はホテルや飲食店が入った高層ビルがそびえたっていました。

「別荘のような建物はすべて村民の住宅です。平均面積は400平方㍍以上、ほとんどがベンツやBMWなどの高級車を複数所有しています」と案内人は説明しました。ここでは、独自の年金医療保険制度があり、大学までの教育費、年一回の海外旅行の費用も村の負担となっています。

村の傘下には約60の企業があります。鉄鋼、紡績、観光が最大の収入源で、今年から新たに海運業にも参入し、農業収入は1%以下です。2008年の総売り上げは約6500億円で、村民の平均所得は農民の全国平均の40倍以上にもなるといいます。

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