2008年11月25日火曜日

北京高校校長の勇気

今年の5月に修学旅行で日本を訪問した北京市第四高校の劉長銘校長が細かい気配りをする日本人を称賛し、「中国は日本から学ぶべきだ」とする評論を1111日、ブログで発表し、共感が広がっています。この高校は北京でもトップクラスの進学校で、修学旅行先に日本を選び、高2の約400人が東京や長崎などを訪問しました。中国からの修学旅行は極めて珍しいことです。劉校長は、日本人と接触して「自律的で社会に迷惑をかけない」ことを原則とする気配りの国民性に「敬服せざるを得ない」と称賛しています。女性トイレの消音や節水のために設置されている排水擬音装置も「細やかさ」の一例に挙げています。「日本人は中国人より頭がいいとは思わない」とした上で、物質的に豊かになった中国では、有害物質メラニンを意図的に混入させた汚染粉ミルク事件が起きるなど依然モラルが低いと憂慮しています。

 修学旅行には対日理解を通じて「恨みを取り去る」という目的もありましたが、国民性の落差を認めざるを得ず、逆に「どうしようもない」という「新たな恨み心」が生まれたと複雑な心境も吐露しています。

 このブログには、4日間で1700件を超える反響があり、反発もありますが、「中国の教育に問題がある」など賛成派が多数でした。女性教師などは「日本批判の文章は多いが、率直に評価する文章は珍しい。中国では、批判されるリスクもあり、校長の勇気ある行動に感激した」と話しました。

 中国の校長で、こういう発表を行うと、たとえブログでも痛烈な批判を浴びたものです。変われば変わったと思うとともに、この校長の勇気に感心します。是非、こういう人たちが、多く出ることを望みたいものです。そして、中国からも修学旅行生が、日本を訪れ、日本の修学旅行生も中国を訪れ、お互いに交流したいものです。お互いが理解することから、真の友情も生まれてくると思います。

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