2008年11月5日水曜日

榊原英資の廃県置藩

 大阪府の橋下府知事以下、地方分権を声高に叫ぶ人たちが道州制を唱えています。政府部内でも鳩山総務大臣が検討を指示しているようです。榊原英資氏は道州制は不可能と言っています。かれは、日本を半独立国的な数個の地域に分けることが可能だろうかと疑問を呈しています。道州制をとろうとしている人たちは、イギリスがイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドのような地域に分かれていることを想定しているのでしょうが、これらは、歴史上も度重なる侵略を受け、民族的にも宗教的にも多様で異質です。これに比べて日本はまったく事情が異なり、歴史上もいくつかの地域に分裂した時期はありませんでした。したがって、道州制よりも江戸時代のような分権国家として完成した型の方がいいのではないか。地方分権のモデルにしなくてはならないのは江戸時代的「藩」であろう。かれは、明治4年の廃藩置県になぞらえて、廃県置藩と呼んでいます。具体的には、300前後の基礎的自治体(藩)と国の二重構造にするというわけです。地域の文化もほぼ藩を基準にして残っています。たしかに名産品として丹後縮緬、加賀友禅などがあります。したがって、国と藩のみで、市や村はなくした構造にしようというわけです。これも一理あるのかも分かりません。藩にせずに今の小選挙区単位でもいいかも分かりません。首長や各議員は、自分の席がなくなるので、大反対するでしょうが、現在の構造は、いずれにしろ無駄が多いことははっきりしていますので、早急に改革に着手すべきでしょう。

0 件のコメント: