11月7日、大坪パナソニック社長と佐野三洋社長による合同記者会見が行われました。わたしは、この記者会見に出席したわけではありませんので、新聞、テレビで見た感じで述べさせていただきます。大坪社長の優しげ顔に比べ、佐野社長の気負った顔が印象的でした。佐野社長ももう少し余裕のある態度でもよかったように思います。吸収合併されたあとには、未練を残さない方が、長い人生ではプラスになります。合併した後の自分の地位はなどと期待すると人間が小さくなります。大坪社長は、なかなか手ごわい相手です。
三洋は、リーマンブラザーズ、大和証券、三井住友銀行に7割の株を持たれ、窮屈だったでしょう。今回、パナソニックが三洋の吸収に乗り出したのは、リーマンブラザーズが、経営破綻し、三洋の株を売却したがっているという読みでしょう。大和証券、三井住友とはこれまでの関係で無茶は言わないでしょう。三洋のみでは、いつ赤字に戻り、あらためて真水の資金が必要となります。むしろ、パナソニックが買ってくれることは、大歓迎です。しかし、できるだけ高く売りつけたいので、極力、腹の中は見せないようにしたいでしょうが、所詮サラリーマンです。パナソニックに買収された後の関係のことを考えているでしょう。結果として、パナソニックは世間が想像する価格よりも相当安く買えるはずです。
ここまでは、パナソニックにとって、読みどおりに進むでしょう。問題は、吸収した後です。これが、なかなか大変です。LCDを買い取ったエプソン、携帯部門を買い取った京セラなどの陰の声を聞くと、想像以上に苦労しているようです。三洋は、セクショナリズム、すなわち縄張り意識が強く、パナソニックといえど、苦労するでしょう。日本ビクター、日本コロンビアよりも数倍苦労するはずだと思います。事業内容のダブリ、その他は、新聞で書かれているとおりですが、パナソニックの豊富な人材からすると、これはなんとかなります。しかし、セクショナリズムは、想像以上に苦労することを述べておきます。
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