2012年3月27日火曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(5)

昨日からの続きです。

7.知識を“雪だるま”式に増やす法

一度決めた自分の仕事を生涯つづけていると、その仕事に取り込んでいる間に、専門以外のことや本業以来のことを知る機会が出てくるものである。そうしたときは、その好機を逸することなく、できるだけ多くのことを見聞し、調査し、要点を覚えておくことが成功するためには必要である。

あらゆる機会を利用して、大ざっぱであっても、各種の事業を調べておくと、重宝がられて、いろいろなことを頼まれる。その場合には、ある程度までの計画を立て、それ以上の細かな設計や実行は、それぞれの専門の人に任せるようにすればよい。こうすることで、人脈は広がり、信頼は高まり、事業の可能性も広がっていく。

いかなる事業に従事するとも、本業を妨げない限りは、あらゆる機会を逃がさす、それに関心を持ち、調査し、機を見て猛進し、幸運を捕らえることが成功には肝要である。

8.「待ち」は決して「消極策」ではない

いかによく従来の方法を実行しても、時勢や人の都合で急に思うようにならないこともある。こうした場合には、時節を待たなければならない。

西洋には、

「時は最良の解決者なり」

「待つことのできる人に、時はいっさいの宝物を持ってくる」

「待つことを知るは成功者の大秘訣だ」

といった諺がある。

ちょっと鼻をつままれてもわからないほどの暗闇の中でも、心を落ち着けてしばらくジッとしていると、あたりが見えるようになってくる。そして、自分の進むべき道がわかって、目的地に向かってどんどん進むことができるようになる。それと同じで、どんな暗黒の中にも、どんな苦難の中にも、必ず進むべき光明の道が横たわっているものである。

大なる成功は、大なる苦難を通して初めて得られると知ることができれば、いかなる難事にも忍耐できるはずである。

実際、どんな不景気も不幸も、決してそのまま永久に続くことはない。時節が来れば、必ず反対の動きを見せるものである。

逆境のとき、思うようにならないときには、いたずらに動くことなく、しばらく時節を待つのがよい。そして、その間に修養工夫して、知識を養い、実力を蓄えるのだ。その後、風雲に際会したときには、ただちに猛然とこれに乗じるのである。

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