2012年3月23日金曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(1)

本多靜六は、1866年に生まれました。11歳で父を失い、苦学します。現在の東京大学農学部を卒業し、ドイツに2年間留学し、帰国して、東京帝国大学の助教授から教授になり、日本初の林学博士となり、日比谷公園を設計したり、国立公園の設置にも尽力し、山林、土地、株の売買で巨万の富を築きました。大学教授をやりながら、巨額の蓄財をし、86歳まで長生きをしました。理想的な生き方のひとつかも分かりません。今回、「本多静六のようになりたいなら、その秘訣を公開しよう」(三笠書房)という本を読む機会がありましたので、紹介したいと思います。

才能は、天から自分への授かり物だが、そのままだと未完成だから使い物にならない。これを役に立つように完成させるのが、「自分自身」の力だ。

本を沢山読み、人の話しをよく聞き、そして自分の頭でしっかりと考え、意志を働かせることが、自分自身の力のすべてを思い切り駆使することになる。脳と神経の鍛錬は、筋肉の鍛錬と同じで、「完全に使い切る」ことだけだと言い切っています。

人は私のことを評して、「本多は成功者だ」とか「先生は日本一の幸福者だ」などと言う。成功しているかどうかはともかく、幸福者である点においては、私自身がいちばんよくわかっているから、異存はない。自信満々です。この自信はいつ頃から感じるようになったのでしょう。この点に興味があります。

しかも、健康、長寿、家庭、財産のいずれも人並み以上に恵まれ、悠々自適、晴耕雨読の晩年を楽しんでいる。これに関しても、名のある同輩の学者、政治家、あるいは富豪たちに勝るとも劣らないという自信を持っている。そのとおりでしょう。しかし、真に幸せかどうかは、分かりません。

1.「習慣になるまでの努力」と腹をくくる

「人生はただの一度限り」だということだ。誰にとっても当たり前の、この「一度限り」ということを、私たちは往々にして忘れる。忘れてしまっているかのように、振舞っている。

何のために、何の目的で生きているのかという「人生の意義」を知っておく必要がある。人生は努力であって、努力なしに人生ない。

努力というものは、初めのうちこそ多少苦痛を覚えることがあるが、与えられた仕事を天職と確信し、迷うことなく、疑うことなく一途に努力すれば、やがてその努力は習慣になって、その仕事は確実に容易に、しかもよりよくできるようになる。そして、その仕事に興味がわき、面白くなって、仕事がついに道楽、趣味になる。

仕事がひとたび道楽や趣味の境地に達すれば、時間や報酬を完全に超越して、働くこと自体が楽しくできるようになる。

特に若いときは、「なにくそ!自分にだってできないことがあるものか。死んだ気でやる!」と決心して、一心不乱に勉強しさえすれば、誰でもそうとう立身出世できるはずである。

「何人も、一所懸命、人並み以上に努力さえすれば、目標はかならず達成できる」。この確信、そしてこの自己暗示こそが、私の一生を努力精神の道へ導いた。

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