11月17日、色鮮やかな民族衣装を纏って衆院本会議場での演説に臨んだブータンのワンチュク国王は、国会でも東日本大震災について、英語で噛み締めるように話をしました。
「3月の壊滅的な地震と津波のあと、ブータンのいたるところで大勢のブータン人が寺院や僧院を訪れ、日本国民になぐさめと支えを与えようと、供養のための灯明を捧げつつ、ささやかながらも心こもった勤めを行うのを目にし、私は深く心を動かされました。
私自身は押し寄せる津波のニュースをなすすべもなく見つめていたことをおぼえております。そのときからずっと、私は愛する人々を亡くした家族の痛みと苦しみ、生活基盤を失った人々、人生が完全に変わったしまった若者たち、そして大災害から復興しなければならない日本国民に対する私の深い同情を、直接お伝えできる日を待ち望んでまいりました。いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。
ブータンからは100万ドル(約8000万円)の義援金が送られたが、それについて、「物質的支援はつましいものですが、我々の友情、連帯、思いやりは心からの真実味のあるものです。
皆様、日本および日本国民は素晴らしい資質を示されました。他の国であれば国家を打ち碎き、無秩序、大混乱、そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民の皆様は最悪の状況下でさえ静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対処されました」。
「多様で変化の激しい世界で、明らかに感じるのは、個人一人一人が孤立しつつあるということです。携帯電話のようなコミュニケーションツールが発展する一方で、本来ある親密な人間関係の絆が失われています。
再び絆を強めるために、お互いを思いやることから始めよう。基本的な人間としての価値観、共感、高潔さ、正義感、これらを大切にしなければなりません」と、名誉博士の称号を授与された慶応大学での講演でした。そして、さらに、「Work hard,being a good human(良く勉強して欲しい。でも、それ以上に良い人間であって欲しい)」
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