部分的な不安を、積極的に認めてしまいます。たとえば、会社がイヤになった最大の理由が、上役である部長とウマが合わないことだったとします。そうしたら、「たしかに、あの部長はどうしようもない。どうしても好きになれない」と、そのことを積極的に認めてしまうのです。そこに「対比効果」つまり「それにひきかえ」の論理がはたらきます。
「それにひきかえ、あの女の子たちはなんとかわいく、同僚たちとはなんとウマが合うのだろう」。こう思えれば、つぎには、「かわいい女の子もいるし、自分を支持してくれる同僚もいる、まあまあではないか」という気持ちになるのも簡単なはずです。
多胡氏はあらかじめ旅行先で行きたい場所などの計画を立て、いっしょに行きたい仲間を30
人ほど集めて、そのスケジュールにそって旅行会社にパック旅行をつくってもらうことにしています。
こうすれば、行きたい場所以外は行かなくてすむという個人旅行のメリットと、チケットなど手配はすべて旅行会社がやってくれるというパック旅行のメリットを、ふたつとも味わうことができるからです。
どんな些細なことでもいいから、できるだけ具体てきにスケジュール化することです。
以前、定年後、家のなかで何もせずゴロゴロしている男性をからかった言葉に“粗大ゴミ”というのがありました。
料理、洗濯、買い物、掃除など、家庭のこととなるとからきしダメ。ただ家の空間をふさぐだけの、役立たずという意味でしょう。
最近では粗大ゴミといういい方はもう古く、家のなか空間をふさぐだけでなく、家族全員の迷惑になるということで、この種の男性は、“核廃棄物”とさえ呼ばれているそうです。
また、いくら払っても離れずにくっついてくるということで、“ぬれ落葉”という言葉も使われますが、いずれにしても、妻から自立できない情けない夫たちへ向けられた痛烈な言葉といえるでしょう。
ボヤボヤしていると、どんどん“核廃棄物”にならないとも限りません。
料理や掃除、洗濯を遊びのひとつと考えて楽しんでみてはどうでしょうか。
とくに料理は、つくる楽しさを十分に与えてくれる“遊び”にできるでしょう。
料理をつくるときには、材料の組み合わせから火加減、味加減まで、知慧と五感をフル動員しなければおいしいものは出来上がりません。それは総合的な判断力、思考力などが必要です。
遊びとしては、ずいぶんと奥の深い、“味わい”のある遊びということになるでしょう。
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