「自分史」を書くのもいいですし、また、昔、愛読した本を読み返してみるのもいいでしょう。読む進うちに、当時その本に抱いていた感動がよみがえってくるでしょう。
また、以前とは違った感動を持つこともあるでしょう。それによって、昔と変わった部分や、変わらない部分を再確認してみることもできます。
多胡氏は、新しいクラスの学生の顔と名まえを一致させるという作業に苦労させられたそうです。カメラを使っての記憶術を採用しました。学生一人ひとりの顔写真を撮り、その一枚、一枚の裏側に当人の名まえを書き込み、それを繰り返し、繰り返し見て、名まえを覚えるという方法です。
若いビジネスマンが、電子手帳を使用している姿よく見かけますが、これなど、中高年にとっては、衰えた記憶力を補ってくれる強力な助っ人になってくれるはずです。
退職直後の何日間か、すぐにでも役立つだろうとやってみるのですが、意外にこれがそうでもないのです。この一週間のスケジュール表は、まさに定年後の生活の見取り図でもあるのです。
なにも十年、二十年の計画を立てなくても、一週間の予定を立ててみるだけで、自分が定年後いったい何がしたいのか、何に情熱を燃やせるのかがみえてきます。
一週間の予定すらすぐに埋まらないようです。
そうして、そうした具体的で実質的な効用以上に、すべてを自分で決めなくてはならない新しい人生への取り組みを、いやがうえでも意識させられるでしょう。私たち平均的サラリーマンの現役時代は、あまりにも他律的な部分が多すぎます。
いざ自分ひとりで自立して生きようとすると何をしていいのかわからなくなります。若いころから楽しむ対象を見つけ、それを八十歳過ぎても継続したことが、本田宗一郎さんのあのバイタリティーの源になっていたとも考えられます。
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