2012年1月22日日曜日

60歳からの生き方(8)

生涯、青春時代を楽しむ

“自分は若い”と思うことでほんとうに若さがつくれます。

自分を若いと思えるか思えないかひとつで、外見も変わってくるのです。

女流小説家、および思想家として人間の性を追求したボーボワールは、紳士録に名まえの出ている60歳以上の男性のうち、7割が月平均、4回も性交を行っていると述べ、周囲を驚かせたことがあります。

社会の第一線で活躍している人は、六十代後半になっても、心身ともに若々しくなり続けているのです。

歌手の五月みどりさんの座右銘は「生涯青春」だそうです。

彼女は新聞のインタビューで、「いつまでも若々しく、前向きでいたいんです。気持ちの問題ですね」と語っていましたが、「自分は若い」といい聞かせ続けることができれば、誰でも“生涯青春”が味わえるのです。

高齢になってから、新しい生きがい、新しい仕事を見つけ、それに没頭して人生を豊かにするひとが少なくありません。“五十の手習い”などという言葉がありますが、人生、新しいことを始めるのに、年齢制限はありません。明日の自分は、今日の自分よりさらに進歩したいと思い、進歩していると信じられる人は、どんなに年をとっても、新しい希望、あたらしい生きがいをつかむことができるのです。

未来に希望が持てないと考えるところから、過去ばかりを振り返りはじめます。

いわく「私の若いころはこうだった」「あのときは、こうだった」と、思い出の世界におぼれ、いまさら変えようもない過去のことばかりに執着して、残された時間のほとんどを追憶に費やしてしまうのです。

こうした消極的な気持ちに陥らないようにするため、多胡氏は三十代の若いころから、意図的に写真類を残さないようにしてきたそうです。自分は過去を振り返らない、自分には未来しかないのだと、自分自身を叱咤激励してきたというのです。

そういうことで、多胡氏の家には若いころからのアルバムはほとんど残っていないそうです。日記も意識的に書かないようにしてきました。これも過去に自分が成し遂げた仕事は、もうすべてを忘れ、絶えず前進していく、前だけを見て生きていく、というつもりだったからだそうです。

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