2010年12月5日日曜日

尖閣映像流出(2)

 中国漁船衝突事件の映像がインターネット上に流出した事件を受け、情報保全の強化策の具体化に着手しました。昨年の衆院選で民主党マニフェスト(政権公約)に明記した情報公開の徹底に逆行するものだとして、野党は反発しています。

 しかし、菅首相は仙谷由人官房長官に具体策のとりまとめを指示しました。情報保全を協議する検討委員会のトップには仙谷長官が就くということです。平和ボケ、平和馴れした国のトップには、緊張感が必要なようです。

 政府の秘密保全強化の動きに野党は警戒と批判を強めています。仙谷由人官房長官は記者会見で、「治安職員がその情報を故意に流出させたということになれば、先般の大阪地検特捜部の事件に匹敵する」と語っています。

 今後、動機や入手経路の解明を急ぐが、立件のハードルは高い。
公務員の守秘義務違反罪が成立するには、漏洩した秘密が「職務上知り得た」ものであることが必要。そのうえで1977年の最高裁判例は、国家機関が形式的に指定しただけでは秘密といえず、①世間に知られていない②秘密として実質的に保護する価値がある――という二つの要件を満たす必要があるとしています。

 問題の映像の扱いは10月中旬に管理徹底が指示されるまであいまいだったうえ、一部は国会議員らに公開されており、「秘密にあたらない」とみる専門家もいます。

 一部からは、映像の投稿者は「内部告発者として保護されるべきだ」との意見も出ていますが、2006年施行の公益通報者保護法は、保護対象を、犯罪や一定の法令違反を告発した人に限定していますので、この範疇には入らないようです。

 捜査当局にとって、悩ましいのは、中国人船長を処分保留で解釈したこととのバランスです。検査官は犯罪を認定しても情状などを考慮し不起訴にできる裁量権をもっています。検察幹部は「世論などを総合的に考慮せざるを得ない」と明かしています。

 元最高検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)は「映像投稿者が『国民に知らせるために流出させた』などと動機の正当性を主張した場合、違法性が阻脚されることも有り得る。警察や検察は慎重な判断を求められる」と指摘しています。

 最近の事件としては、面白いものでしたが、これが他国では、日本で生じたことに対して、大きな危機感を感じますし、これに対して、どこからもどうすべきと考えが提起されないのも心配です。メデイアはその程度の能力しかないのであれば、途中で恣意的に加工するのではなく、真摯に情報として流すことに徹すべきではないでしょうか。国で雇われているこれらの専門にしている人たちもこの機会にもっと発言すべきでしょう。そうでなければ、ただの給料泥棒です。

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