徳島県上勝町は、山や畑でとれた木の葉や小枝を料理に添える「つまもの」で、全国の大都市の高級料亭向けに出荷する「いろどり」事業で、「葉っぱをお札に変えた町」として有名になりました。この事業は、平均年齢67歳(女性がほとんど)の約150人の農家を中心に1人当たり平均年収は170万円となっています。高齢化率では、県内1位ですが、寝たきり老人は皆無に近く、1人当たりの年間医療費も格段に低いそうです。非常に示唆に富んでいます。
上勝町の案内によると、1980年代は激動の時代でした。町の人口は年々減少し、主な産物であった木材や温州みかんは輸入自由化や産地間競争で、伸び悩んでいました。1981年には局地的な異常寒波が上勝町を襲い、ほとんどのみかんが枯死しました。一年間でみかんの売上は約半分となり、農家は大打撃を受けました。
この歴史的大災害を乗り切るため、軽量野菜を中心に栽培品目を増やし(1981年8品目⇒82年14品目⇒83年24品目)、農業再編成に成功しました。続いて季節的要因の少ない椎茸に注目し、現在の年間売上約5億円と、成功を収めています。
そして町の半数近くを占めるお年寄りが活躍できるビジネスはないかと模索したところ、"つまものビジネス"="葉っぱビジネス"が1987年にスタートしました。
「葉っぱビジネス」とは、"つまもの"、つまり日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などを、販売する農業ビジネスのことです。 株式会社いろどり代表取締役である横石氏が「彩(いろどり)」と名づけてスタートしました。
葉っぱビジネスのポイントは、軽量で綺麗であり、女性や高齢者でも取り組める商材であること。現在の年商は2億6000万円。中には、年収1000万円を稼ぐおばあちゃんもいます。
それを支えるのはPC(ブロードバンド・ネットワーク)。 決まった数量を毎日出荷するのではありません。おばあちゃん達はPCを駆使し、全国の市場情報を収集して自らマーケティングを行い、葉っぱを全国に出荷するのです。 PCでは自分が町で何番目の売上を上げているかの順位等も分かるようになっています。こういったビジネスモデルのすべてが良い刺激になり、更なる発展へつながっています。
こうして見ますと、優秀なリーダーがおり、やる気があるとまだまだやれるということです。人間、諦めがもっとも悪く、生きがいを求めてゆけば、老人特有の病気になるリスクも低くなり、いつまでも元気になり、回りからも喜ばれるようです。また、いくつになっても競争という刺激は必要なようです。
先に述べた、中国の女子大生が村長の村も、リーダーによって変わります。過疎の村も工夫次第でまだまだ再興できます。このためには、生きがいです。政府も農業に生きがいを与えてほしいものです。以前に大分県がやった一村一品運動ならぬ、一村一業運動でも各県知事は進めたらどうでしょう。
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