1月8日のサントリー、サッポロビールの両社の発表によると、サントリーがアサヒビールを抜き、初めて第3位に躍進しました。また昭和38年(1963年)の参入以来、初めて黒字化も達成しました。実に45年間も赤字だったのです。
サントリーの販売量は前年比9.3%増の5959万ケース(1ケース=大瓶20本換算)と過去最高でした。これに比較し、サッポロは同8.5%減の5630ケースでした。国内のビール市場は少子高齢化に加え、若者のビール離れで縮小傾向にあるなか、サントリーは販売量を3年連続で伸ばしました。サントリーが3位に入るのは、無理だと思っていましたが、不可能ということはないことをあらためて知りました。多くの企業を勇気づけるサントリーの快挙でした。
サントリーは、昨年、家庭用の缶ビールの値上げを最需要期の夏場を避け、9月としました。他のビールメーカーは2~4月に全商品を値上げし、消費者が割安なサントリー商品を買い求め、シェアを押し上げました。高価格の「ザ・プレミアム・モルツ」と低価格の第3のビールの「金麦」が好調を続け、両商品とも1000万ケースを突破しました。販売増により収益を大幅に改善し、20年12月期のビール事業は、10億円以上の営業黒字になる見込みです。
一方、サッポロは高価格の「ヱビス」は低迷し、第3のビールも落ち込みました。
サントリーは、非上場企業です。上場企業では、45年間も赤字を続けられないでしょう。
また、サントリーのビール事業は、マーケッテイングのいい教材になりそうです。わたしは、サントリーのビール部門を率いる人が、代わったのではと推測しています。しかし、1年だけの黒字化は、そう難しくありません。この黒字を今後も続けることができるのか、非常に関心があります。
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