2012年8月23日木曜日

増税で日本を地獄に叩き落す野田官僚

 産経新聞編集委員の田村秀男氏は、野田官僚の増税路線について、次のように評しています。少し長いのですが、引用します。
「危機対策について首脳による国際会議を幾度開いても、世界経済不安解消のメドは立たない。根本的には、外からの借金で国民が消費を謳歌する経済モデルが破綻した点で米国とユーロ問題国は共通している。リーマン・ショック(20089)以来、大西洋両岸発の金融危機の波は重なり合いやすく、増幅し、世界に広がる。

ギリシャ財政破綻は09年末から10年初めにかけて表面化したのだが、ユーロ不安のきっかけは089月リーマン・ショック時にさかのぼる。
欧州の金融機関はあわてて財政規律に不安のあったユーロ問題国の国債を売り始めた。その後、ギリシャなど政府財務危機が進行すると、今度は米金融機関の対欧州債権関連の損失リスクが高くなって、米金融市場が揺れるようになった。

リーマン危機の元凶はそもそも米住宅不動産バブルの崩壊なのだが、いまだにバブルが崩壊し切ったとは言いがたい。その米住宅相場にスペインなど欧州の不動産価格が連動する。米住宅価格総合指数は06年央にピークアウトし、08年初めから急落し始めた。スペインの住宅価格指数をみると、米国よりほぼ1年遅れの07年央からバブル崩壊が始まった。ピーク時に比べ、今年3月末の米住宅価格の下落率は32%、同じくスペイン・マドリードの住宅価格下落率は27%だった。
1990年代初めの日本のバブル崩壊では東京都心の住宅地価(港区基準地価)6年間で5分の1に下がったが、米欧ともバブル崩壊が始まって5,6年たってもいまだに下落が続く。

米連邦準備制度理事会(FRB)はドルを刷って住宅ローン債権や国債を買い上げ、資金が株式市場に流れる仕組みをつくって株価を引き上げてきたが、ユーロ不安が深刻化するたびに米株価が急落し、個人消費や民間設備投資意欲をそぐ。

ユーロ発足後、ドイツ国民は年金の減額や失業保険制度の適用制度制限など負担を受け入れた。失業した女性が職業紹介所から風俗営業サービスをあっせんされて断れば、ただちに失業手当を打ち切られるようになった。納める税金がギリシャ、スペインなど改革を怠ってきた国の支援に回されるのは許しがたいと思うのは当然だ。
97年から98年にかけてのアジア危機ではタイ、インドネシア、韓国などが通貨を大幅切り下げて経済再建を軌道に乗せた。ギリシャはユーロ圏にとどまる限り、同じ道を選択できない。

世界経済不安という台風はさらに次から次へと日本を襲うだろう。行き場を失った世界の投機マネーが世界でも最もカネの価値が大きいデフレ日本に殺到する。そしてデフレ病でやせ細った家計を嵐の中へたたき出すのだ。

ところが、野田佳彦首相らは財務官僚に誘導されて消費増税が雨戸になると信じ込んだ。デフレ下の消費増税は、世界最大の貯蓄の対外提供国・日本が増税によって家計の消費を抑えてまで借金返済を保証すると国際公約したのも同然だ。
欧米や中国の投資家は日本がますます安全になるとふむ。超円高は止まらず自動車など主要企業は国内生産に見切りをつける。若者の雇用機会は失われ、慢性デフレで細った勤労者の家計はジリ貧になる。税収は減り、財政悪化に加速がかかる。財務官僚はまたもや増税を仕掛けるだろう」。
まさに日本銀行員、財務官僚のシナリオは、日本を地獄に叩き落す悪魔のシナリオです。
次回選挙では、こういう人たちに引導をわたす政治家に投票しましょう。

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