公務員の共済年金は、サラリーマンの厚生年金と比べて保険料率が低いのに、独自の上乗せ分「職域加算」があるため、サラリーマンと比べて給付額が月2万円も多いのです。野田政権はこの「官民格差」の解消を揚げ、厚生年金と共済年金を15年10月に統合する一元化法案を今国会に提出しました。これは、消費税増税法案とともに衆院で可決されました。法案では「職域加算」の廃止が規定されましたが、政府の有職者会議で、廃止後の「新制度」が検討されてきました。
その有職者会議が8月3日、焦点の「職域加算」を今後も形を変えて維持することを求める報告書案を固めました。格差解消どころか特権を温存させようというのだから驚きです。しかも、この一元化の裏で、シロアリ役人たちが、20兆円もの巨額のカネを山分けしようと考えています。
共済年金と厚生年金の一元化は、それぞれの積立金を“持参金”として持ち寄り、一つのサイフにするのが前提でした。ところが、共済年金は約45兆円の積立金を溜め込んでいるのに、厚生年金と統合するのは約24兆円だけで、残りの約20兆円は引き続き『職域加算』分として、温存させるつもりなのです。厚生年金の積立金(約143兆円)が年間給付額の約4年分だから、共済年金も4年分の給付額を統合すればいいという理屈です。
そもそも共済年金が巨額な積立金を、貯め込んだのは、上乗せ分の「職域加算」分に膨大な税金が投じられてきたからです。
年金一元化の話が浮上してきたのは、公務員の数がどんどん減って共済年金が成り立たなくなったことが発端です。いわば共済年金は救済される側なのに、お金は出さず、特権の『職域加算』の仕組みも残そうというのはおかしな話です。
今や官のやりたい放題。これで消費税増税というから、いい加減にしてほしい。
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