昔から、標題はいろいろの説があります。ネズミは小さくて脈拍が速いので寿命が短い。ゾウは、体も大きく、脈拍も遅いので、寿命が長い。これについて、東邦ガス診療所(名古屋市)の林博史所長はこう言い切っています。「心臓の消費エレルギー量は、おおむね決まっているとみており、心拍が速いと劣化が進み、寿命が短くなる」と。
林氏は名古屋大学病院に在籍中、心梗塞の患者をたくさん診てきました。一命を取り留めた場合、何が予後を左右するのかに興味を持ち調べたところ、心拍数にたどり着いたというわけです。いつもまでも、脈が速い人は、回復に時間がかかったそうです。そして、人間が一生の間に打つ心拍数は「23億回」とはじき出しました。1分間、脈を測り、その数で割れば、寿命(分)がわかるというわけです。心拍数が60回で約73年、70回で約63年、80回で約55年となります。
血圧が正常でも心拍数が1分間に70回以上の人はそうでない人よりも心臓病による死亡リスクが約2倍になると公表しました。
米国の高圧患者約4500人を36年間追跡した調査では、心拍数の増加に伴い、心臓病死する割合が高くなりました。
ただ、心臓病の専門医の間では、人間の一生の心拍数に決まった限界があるとの考えに否定的な意見が多いといいます。心拍数の増減は、自律神経に左右されており、一部の不整脈のように心臓自体に問題があることは少ないからです。
人間の心臓は1分間に60~80回の収縮・拡張を繰り返し、体全身に血液を送り届けています。
東邦ガス診療所の林所長がつくった寿命と心拍数の公式
・寿命(分)=23億÷1分間の心拍数
・ 寿命(年)=4376÷1分間の心拍数
脈拍を早くする主な要因としては、
①喫煙
②肥満
③高血圧
④糖尿病
をあげられます。「いずれも自律神経」のバランスを崩し安いものです。脈が速いから短命になるのではなく、速い人は生活習慣病を抱えているケースが多く、結果的に死亡リスクが上がるのでしょう。
では、どうすれば、心拍数をさげられるのでしょうか。
「毎日、分速80メートルの早歩きを最低20分続ける。3~4ヶ月たつと、脈拍数は5~10は減る。マラソン選手のように心臓が鍛えられるわけでありませんが、自律神経の過剰反応は抑えられる」と話しています。 心拍数と寿命の関係は、まだ決着がついていませんが、早歩きが健康にいいのは、間違いないようです。
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