2010年9月15日水曜日

民主党代表に菅氏が再選

 9月14日の投開票で、菅首相が再選されました。菅首相が誕生した6月8日、日経平均は9537円で引け、それから3カ月近く、低迷しました。9月1日には、8927円と600円近く下げましたが、14日終値は9299.31円です。小沢氏への期待もあったのでしょう。明日の株価が心配です。為替は為替は1ドル=91円から83円まで急伸しました。14日15時36分現在、1ドル83.24~83.26円です。いたるところで、悲鳴が聞こえます。菅首相、野田財務相は、この流れを変えることが出来るのでしょうか。菅氏が選ばれると、60円までゆくという人もいます。

 そして、今日、菅首相が再選されました。党員・サポータで圧倒的に小沢氏に差をつけました。国会議員では小沢氏有利といわれていましたが、直前に菅氏に流れ、国会議員票でも菅氏が上回りました。しかし、投票用紙が、ネットオークションで売られていたり、選挙管理には、大きな問題を残しました。

 さて、日本の主要輸出企業の為替想定レートは、85~90円です。1円の円高で巨額の利益が吹き飛ぶことを考えれば、株式市場の低迷も当然です。こんな惨状に見て見ぬふりを続けたのが菅氏です。円が急伸し株価が低迷しても無策を貫き、市場関係者をうんざりさせました。

 みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏は、「今回の円高、株安への対応を見ていると、菅首相は、肝要な部分が分かっていないようです。例えば、円高に対して、動きが急すぎると感想を述べたそうですが、急なのは、数字の変化です。何かが動いているわけではありません。こんなレベルですから、経済や為替への対応は、すべからく“泥縄”。これでは、円高、株安の流れは変えられません。一日も早く辞めてもらいたいですね」と語っています。

 円高を止めるには、為替介入や金融緩和が欠かせません。いずれも重要なのはタイミングです。各政府や投機マネーの動きを眺めながら、「今しかない」というときに、市場全体が円売りに振れる環境をつくります。そんな芸当が、泥縄で精いっぱいの菅首相や野田財務相にできるわけがありません。
経済ジャーナリストの倉多慎之助氏は、「小沢氏が代表選に勝つと潮目が変わる。小沢氏が代表選に勝ち、大型減税に踏み切ると思われていました。市場は菅首相に期待していません。鳩山前首相の高値は1万1408円(4月5日)でしたが、小沢氏首相なら1万1500円を超え、1万2000円回復もありそうです。菅首相は変わらず、小沢氏の「政治とカネの問題」をネチネチ攻め立てていたが、小沢氏は強制捜査権がある警察が1年も調べて、何にも出なかった」と話しています。

 「政治資金については、公開する必要のない領収書も含めて、すべてオープンにしている。ここまでやっているのは自分だけ」と小沢氏は強調しています。小沢憎しの検察が秘書らを3人逮捕し、事務所だけではなく、ゼネコン各社までガサ入れし、小沢本人にも何度も事情聴取したのに何にも出なかった。これぞ、最大の潔白の証明ではないかと言うわけです。

 菅陣営は小沢氏の代表時代の“党内官房機密費”の使途まで調べています。元外交官の佐藤優氏は、「小沢氏の政治とカネの問題は過去形です。今、問題なのは、長男への資金援助が明らかになった仙谷官房長官の方でしょう。この円高は、欧米が日本を食おうとしているものです。普天間問題は日米合意を強行すれば、沖縄は爆発しますよ。日米合意があっても自民党政権はずっと杭一本打てなかった。それをどうやって、強行するのか。難題を解決できない菅政権がそれを誤魔化すために政治とカネの問題をネチネチ取り上げているのです」と言っています。菅氏は、普天間問題もどうするのでしょう。どうも出来ない気がします。

 経済評論家の森永卓郎氏は、「危機的状況にある日本経済を立て直すには、小沢氏の力が必要です。円高、株安の“経済有事”に対応できるリーダーは、菅首相ではなく小沢さんです。菅首相の経済政策は、①財政規律重視②金融引き締め③対米服従が3本柱になっています。実は、この路線は小泉元首相と同じです。菅首相が続投すれば、国民は格差社会の拡大に苦しめられることになります。ほとんどすべてのエコノミストは、為替介入をせず、金融緩和打ち出せなかった菅首相の無策に失望しました。なぜ、機敏に動けないのかと呆れたのです。考えられる理由はひとつしかありません。米国を怒らせるのが怖いのです。小沢さんは米国の方針に「ノー」と突きつけられる唯一の政治家です」と小沢氏を支持していました。

 さらに「小沢氏は、経済でも日本の立場を主張し、為替介入や金融緩和といった必要な政策を実行するでしょう。小沢氏は、消費税の増税の前にムダの削減が必要と訴えています。衆院選マニフェストには、公務員の人件費を20%削減するとありました。公務員や独立行政法人の職員の給与を、中小企業まで含めた“民間並”に引き下げれば、消費税を10%に引き上げるのと同じぐらいの財源は生み出せるはずです。米国に服従し、経済対策で二の足を踏み、公務員との軋轢を恐れて増税路線を選択する菅首相には、何にも期待できません」と小沢氏を支持し、菅首相をあきらめていました。 これから、菅首相、菅政権は、何が出来るのでしょう。国会のねじれも解消できそうにありません。普天間問題も株安も円高にも手が打てません。やるのは、天下りの実行と消費税の増税だけです。雇用、雇用、雇用といいましたが、円高で、どんどん工場が海外に逃げています。ますます失業者が増えるでしょう。困った代表選挙の結果となりました。

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