2010年9月21日火曜日

大学ランキング

 「国際化」の象徴である留学生の受け入れでは、高成長を謳歌する中国の動きが急です。教育省によると2009年同国の大学や大学院の外国人留学生は23万8184人と1949年の新中国建国後で最多を記録しました。語学留学でない本科学生や研究生も増え、全体の4割を占めています。

 中国政府は今春、受け入れ規模を20年までに50万人に拡大すると発表しました。奨学金増額に加え、政府が世界80の国・地域で展開する中国語教育機関「孔子学院」も増設しました。中国の理解者を増やし、国際社会での影響力を狙うのが目的です。

 昨年10月に英教育専門誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」が公表した「世界大学ランキング」ではハーバードやケンブリッジという米英の著名大が上位を独占しました。アジアでは東京大学がトップを維持したものの、全体順位は前年から3つ下がり22位。慶應大学142位、早稲田148位にとどまっています。文部科学省は昨年、留学生数を30万に増やす「グルーバル30」計画を開始しました。各大学も授業の英語化などで呼応する予定です。

 早大は留学生が3割を占め、全授業を英語で行う国際教養学部を04年に開設するなど、8000人の留学生を受け入れ、日本人学生全員が在学中に留学できる仕組みを目指すとしています。

 00年開校の立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)は、世界の約100カ国・地域の約3000人の留学生が同数の日本人と学んでいます。日本語習得を入学の前提とせず、講義は日英2言語で進めています。

 「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」は、2004年から世界の大学のランキングを公表しています。以下の6指標で、総合評価しています。
①各国研究者からの評価
②当該国の雇用者による評価
③学生に一人あたり教員比率
④教員一人あたり論文引用数
⑤外国人教員比率
⑥留学生比率

 ところが、表2に示すクアクアレリ・シモンズ社によるアジア地域の大学ランキングでは、もっと衝撃的です。タイムズ・ハイアー・エデュケーションでは、東大は、アジアで1位でしたが、クアクアレリ・シモンズ社の調査では、香港の3大学、シンガポールの大学に抜かれ、5位になっています。たしかに、日本の大学は、世界の大学と比べると目的が多いに異なっているようです。もっと学ぶこと、究めることなどを真剣に考える必要があるように思います。大学に入るとゴールのようなことでは、日本に将来はありません。


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