楽天がTBSの買収に失敗(?)したようです。3月31日にTBSに対して保有するTBS株式の買い取りを請求しました。3年半にわたる攻防も楽天の完全撤退で幕を閉じるようです。楽天は経営統合などを求めてTBSを激しく攻めましたが、話し合いは平行線のまま推移しました。TBSは、昨年12月の株主総会で、特定の株主が33%以上の株式を取得できない「認定放送持ち株会社」への移行を決めました。これに反対した楽天は、3月末までに保有株の買い取りをTBSに請求できる権利を得ていました。
楽天は、保有するTBSの発行済み株式19.83%(約3777万株)の買い取りを求め、TBSもこれに基本的に応ずる方針です。問題は、TBSの買い取り価格です。楽天は、約1100億円でTBS株を買収したが、現在の評価額は、約500億円。差損が約600億円もあります。楽天の12月期決算は、営業利益が470億円と過去最高でした。しかし、TBSの評価損などで、赤字に転落しています。
もともと楽天の三木谷社長は、相手の株式を大量に取得すれば、こちらの言うことを聞かざるを得ないという村上ファンドやホリエモンと同じ発想でした。また、インターネットと放送の融合とか声高に言っていましたが、この3年半の攻防中に、これという提案もありませんでした。これは、ホリエモンも一緒です。
楽天は、2年前の株主総会で委任状争奪戦に敗れ、株を持ち続けても勝ち目はないにもかかわらず、決断が遅れ、この間にTBS株価は、1万円近くも下落しました。この面からも三木谷社長の責任は重いでしょう。株主からもTBSの買収に失敗していなかったら、配当ももっと多かったはずだと恨み節も聞こえて来ます。
4月中に楽天とTBSの間で協議がまとまらなければ、裁判所の調停に委ねられるということですが、TBSも時価以上の価格で引き取ると、TBSの株主から株主訴訟などをされるでしょう。楽天にとっては、難しい交渉です。TBS側も楽天と提携しても本業に何にもプラスにならないと分かっていますので、冷めた交渉態度で臨みます。楽天が、あっさり引けば別ですが、長い交渉になるでしょう。
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