北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に対して、日本、アメリカは抗議の国連決議をとろうとしましたが、アメリカが、中国、ロシアのとる議長声明に妥協し、拘束力のない議長声明へと転換したために、決議採択を主張する日本は孤立した格好になりました。またしても北朝鮮ほかにやられた感じです。打ち上げが決まった時になぜ常任理事国と詰めていなかったのでしょう。不思議な官邸と外務省の動きです。
麻生首相は、9日の日本記者クラブの会見では、「議長声明ではなく決議をきちんと出すべきだ」と断じていましたが、10日夕方の記者会見では、「拘束力がある新決議が望ましいが、きちんと国際社会のメッセージが伝わることが大事だ」と、大きくトーンダウンしています。
また、タイのバタヤでの日中会談でも温家宝首相に迫ることが出来ず、安保理の結束や迅速な対応をより重視する考えを示したに過ぎません。今回の件で、海外では、まったく交渉能力がなく、相手にされていないことが、外務省とともに露呈しました。もともと麻生首相は、北朝鮮拉致家族に対しても冷たく、これまでも何らの手も打っていません。こちらがダメならこちらで譲歩させるといった強い迫り方も必要でしょう。麻生首相のこういった会見での異常ともいえるはしゃぎ過ぎの後の苦い結果に、こういう首相を持っていていいのか、疑問を禁じえません。
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