東京地区私立大学教職員組合連合の調査で、昨春入学した自宅以外から通学している学生への仕送り額が9万5700円で、昭和61年の調査開始以来の最低だったことが分かりました。6月の仕送り額は、8年連続で減少しています。この間、家賃は月額6万円前後で推移しています。生活費は、仕送り額から、家賃を引いた金額になり、3万6000円でした。10年前の56%に落ち込んでいます。平成18年から4万円を割り込んでいます。携帯電話料金は、親が払っているのでしょうか。この金額では、奨学金やアルバイトなしでは、生活できません。
自宅外通学の平均世帯年収(税込)は、915万9000円(前年比45万円減)でした。また、受験費用、初年度納付金などを含めた「入学の年にかかる費用」は、304万6781円で、年収の33.3%に及んでいます。住宅ローンが残っていると大変です。遅めに結婚した人、こどもを生んだのが遅かった人は、こどもが在学中に定年を迎える人もあり、定年後の仕送りや学費の納入に不安を抱えているようです。
そういえば、焼き鳥屋や和民などの飲食店で働く大学生をよく見かけます。わたしたちの頃は、アルバイトといえば、家庭教師が主だったように思いますが、今はファーストフード店で働くのが、多いように見えます。ファーストフード店の発展に寄与しているのかも分かりませんが、学業の方は疎かになっているでしょう。中国では、ここに来て、大学希望者が減って来ています。大学を出てもいい就職先がない。それなら、大学進学をあきらめるか、海外の大学に行こうということです。日本もそうなるでしょう。私立大学の破産もあるでしょう。投資に失敗した大学も相当あるようです。先生も学生を集められるタレント先生ばかりが、もてはやされ、真面目な先生は疎んじられるのかもしれません。今後の大学教育は、どうあるべきなのかにまで踏み込んだ討議が必要でしょう。文科省も私立助成金を払っているだけではすまない時代がすぐそこに見えています。
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