北京市の人口・計画出産委員会の鄧行舟主任は、3月24日、テレビ局の取材に応じ、金持ちが一人っ子政策に違反した場合、その収入に合わせて社会扶養費(罰金)を課す方針を明らかにしました。
北京市で計画出産(一人っ子政策)を緩和するか否かについて、鄧主任は「中国の人口は、多過ぎる。現行の政策を厳格に実施しても、毎年全国で800万 人から1000万人の人口が増加する。現在の中国の一番の問題は、人口が多過ぎることである。全国の計画出産政策に大きな調整はないだろう」と語りました。
鄧主任によりますと、「計画出産は中国の基本国策であり、一人っ子政策の違反は、違法行為であるが、現在有名人や金持ちの違反が顕著なため、一般市民から強い批難の 声があがっている。関係部門では、有名人や金持ちに対して特別規定を設け、一般家庭よりもさらに高額の社会扶養費(罰金)を課す文書を今年中に制定したい」と考えています。社会扶養費(罰金)の徴収額については、前の年の収入が基準にされます。北京市では、その収入の推算方法を決め、収入の比率に合わせて社会扶養費(罰金)を徴収する予定です。
現在、北京市における社会扶養費(罰金)の徴収基準は、北京市民の平均年収の3-8倍となっており、平均年収の増加に伴い、罰金額も上がっていきます。
中央政府の11部と委員会が発表した文書では、「一人っ子政策に違反した党員幹部は、党紀・政紀によって処分し、各幹部や人民代表大会代表、政治協商会議委員に選出された者の違反行為は許されない」と明記しました。
中国では、一人っ子政策といいながら、会社の経営者や一部の政府幹部には、二人のこどもを有している人を見かけます。いかにも、こどもが多いのが、ステータスのような感じです。さすがに3人、4人となるとなかなか見かけません。しかし、中国大使館の人たちに聞きますと、こどもを二人つくると、職場を辞めないといけないそうです。非常に厳しく律しています。
現在の一人っ子政策を続けてもなお、800万人~1000万人増えていくとすれば、国として看過できないことでしょう。フランスなどは、この一人っ子政策は、人道主義の精神に悖ると言って非難しますが、過去の食糧難を知っている多くの中国人からは、その話は出て来ません。これは、中国人が列に並ばないということにも通じています。
中国では、以前は、食料は配給制でした。しかし、配給される食料は、人数分ありません。おとなしく並んでいたのでは、家でおなかを空かして待っている家族に食糧を持って帰れないのです。したがって、並ばずに横から入ってでも食糧を手にしようとします。中国も豊かになって来て、随分並ぶようになりました。隣国として、良くなったことを喜びたいと思います。“衣食足って、礼節を知る”を中国は、今、自ら示しているように思います。
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