2010年2月14日日曜日

サントリーとキリンの合併解消

 2月8日、サントリーとキリンの合併話が解消されました。理由は、統合比率の問題で、キリンは、キリン:サントリー=1:0.5を望みましたが、サントリーは、対等合併を望みました。
 この合併話が出た時に、わたしは、この話は流れた方がいいなと思ったものです。サントリーとキリンでは、企業文化が違い過ぎます。キリンは、三菱系で、官僚的な会社のように思われます。一方、サントリーは開高健、山口瞳などを輩出した文化企業です。しかも、非上場。この二つが、どう合併するのか、興味を持ちましたが、合併しない方がいいと思っていました。この合併解消は、よかったと思います。
合併の根拠は、日本市場の縮小にあります。日本市場は、平成6年をピークに年々下がり続けています。このため、両社とも、海外での展開に力を入れて来ました。海外で戦うにあたっては、競合相手が大きいために合併して大きくして戦おうということであったかと思います。しかし、大きければ、勝てるというものではありません。なまじ大きいと知恵が総身に回りかねます。お互いにいい社風、経営理念があるのですから、そのまま頑張った方がいいでしょう。評論家は、すぐに「今回の合併は潰れたが、業界再編は避けられない」と言います。しかし、合併でうまくいった会社がいくらあるのでしょう。きちんとした戦略家がいれば、いまの規模でも十分に戦えます。
 しかし、それに比べて通信業界は、どうでしょう。ため息が出ます。どんどんシュリンクしている日本市場にしがみつき、海外に出ようとしません。食品業界の方が、その国その国の舌が違うので、海外に行く必要がないように思うのですが、どんどん出ています。スーパーも滋賀県の平和堂などは、中国に行って成功しています。国内は閉塞感がただよいすぎています。ただ、やみくもに出て成功するような甘いことはありません。いい戦略家の指導を仰ぎ、どんどん出て欲しいものです。国内は、若い人の仕事もなくなっています。世の経営者は、目先の数字だけを追うのではなく、次の世代のためのことを考えて事業を展開してほしいものです。

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