と、仏カルティエの専門店の繁盛ぶりを、市の商工関係者は明かした。
中間所得層も育ち、イトーヨーカ堂の成都双楠店の年商260億円は、日本を含む約190店舗でトップである。ヨーカ堂中国総代表の三枝富博氏(62)は、「成都の消費者は、中国で最も新しい物への好奇心が強い」と新たな商機へ意気盛んでした。
四川省など内陸部では、政府が2000年に定めた「西部大開発」計画でインフラ整備が進み、これに08年の四川大地震の復興投資1兆7千億元(22兆1千億円)が加わりました。ブランド店の特意先名簿には復興にかかわった国有企業、軍幹部の名がずらりと並ぶといいます。並行して、沿岸部の人件費上昇を嫌った台湾メーカーのIT(情報技術)機器工場などが相次ぎ進出して来ました。経済成長の波が内陸にも届き、消費に花が咲いています。
四川省では1970年代、省トップの趙紫陽が60年前後の失政で餓死者まで出した経済の再建に奔走しました。78年からの改革開放に先駆け、生産を増やせば農工業者の懐が潤う仕組みを導入し、「ご飯を食いたければ、紫陽を探せ(中国語で找紫陽)」という流行語を生みました。
趙は89年の天安門事件で総書記から失脚し、05年に死去しました。今の四川省の食べられる姿には驚くでしょう。しかし、高度成長を導いた一党支配では、貧富の差が広がっています。
月給は3分の1が家賃に消える。生活は苦しいが、治安は悪くない・飲食店で働く河南省出身の張慶齢(仮名25)は北京でのくらしぶりを語ります。張が住むなのは窓のない地下室。米ソとの核戦争を想定して70年代に建てた古いアパートの地下2階にあります。
分厚い防空扉で守られた、広さ4平方㍍ほどの小部屋が監獄にように並んでいます。暗い地下に住む彼らは「鼠族」と呼ばれます。鼠族の多くは農村から職を求めて上京したものの、1000元(約1万3000円)ほどの月収しか得られない労働者ったいです。
高級物件は家賃が米ニューヨーク並みに上っています。しかし、そういうマンションに住めるはずもなく、家賃350元の地下室で我慢を続けています。北京とその近郊に住む鼠族は、現在、数十万人といわれます。
「性能も良く、高くない。買うならカードで一括払いだ」。
同じ北京で4月末に開かれたモーターショーの会場では、大学院生(24)が伊ランボルギーニ製の超高級車を購入しようとしていました。高級ワインなどを扱う小売り大手の経営者の子息だといいます。
中国は1人当たり国内総生産(GDP)が4500㌦を超え、モータリゼーションの最盛期です。日本の70年代の半ばに当たります。当時の日本では、ランボルギーニを買う人は珍しかったのですが、中国では11年に342台が売れ、世界一の市場となっています。
鼠族と高級車を買う金持ちの2代目は、ともに急成長の落とし子です。中国は社会主義の看板を下していないが、内部は最貧困国と先進国が混在していると、日経新聞は報じています。
0 件のコメント:
コメントを投稿