2012年6月9日土曜日

魅力うせたか世界の工場

「中国の地方都市の債務総額は、11年末までに12兆元(150兆円)へ膨らみ、そのうち約2兆元(約26兆円)がデフォルトになる可能性がある」と昨年、ロイターが報じました。

「世界の工場=中国」にある欧米系企業の撤退→移転や事業縮小が相次いでいます。最大の理由は、人件費の高騰と「今後も上昇し続ける」はずのコスト面だとしても、WTO(世界貿易機関)加盟ながら、モラルのカケラもない蛮行-知的財産権の保護どころか、「世界の先端技術を奪い、それを商売にしている問題」もあります。事実、ポーランドやウクライナ、トルコなどの新興国へ移転するかじ取りが始まっていますと、“中国という毒”で河添恵子さんが書いています。

さらに、「地方都市の債務総額を12兆元で見積もっても、中国のGDP(国内総生産)3割を占める。米国発の金融危機サブプライム・ローンの焦げ付きは、GDP1割に満たない規模だったというから、中国政府が不良債権処理に大ナタを振るったとしても、中国経済が超危険水域にあることは疑いようもない。
そもそも、中国政府が自国に魅力を感じているとは到底、思えない。それを証拠に、共産党幹部の子女は先進国のパスポートを所持し、一族の巨大な(隠し)資産を海外へ逃し、おおかた、英語圏で暮している。何より、外貨保有高世界一を誇る中国が、日本を含む欧米諸国の価値あるものを買いまくり、投資し、国内に目をむけている気配すらない。
なのに、日本には依然、中国へ投資しようなんて(だまされている?)企業がある。目を覚まして~オジサマたち!」
と書いています。この記事は、夕刊フジの516日号に書かれたものですので、当たっているところもありますが、外れている点も多々あります。まず、すべての工場が、中国から抜け出して、ポーランドやウクライナなどには行けません。UE向けは、関税などの問題もあって、ポーランドなどに移ることはあるでしょうが、早晩、ここも人件費が高く、採算が合わなくなります。それよりも中国の内陸部で造るほうが、経済的メリットがあります。たしかに、中国の幹部の子女は、欧米で教育を受けている人が多いのは事実です。しかし、普通のひとは、海外に留学させるだけで精一杯で、巨額の資金を海外に蓄える余力のあるひとは、一部の政府幹部のみです。この程度は、そう問題にならないでしょう。

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